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1017day sat 12/23 side K

「深森さん…?」  暖かい手が俺の頬を触る感触がする  目を開けると深森さんの顔が見えた。  あーーーいい夢。できればもうちょっと… …。 「… …ちょ… …!」  手を伸ばして深森さんの腕を掴み捕まえた。 「… …あったかい」  抱きしめると、背中を撫でてくれる。たまらない。もっともっと撫でてあっためて欲しい。きっと目を開けたらあなたは居ないんだ。だったらずっとこのまま目を閉じていたい… …。  ・・・・*・・・・*・・・・*・・・・ 「起きたか?」  深森さんが俺のひたいに手をあてている? 「俺… …?」 「あれからぶっ倒れたんだぞ。何時間もあんな寒い中、雪に降られていたら当たり前だ」  夢じゃない… …? そうだ俺、公園でずっと待ってて… …声がして… …見上げた先に深森さんが見えた。 「… …来てくれてたんですね」   「お前がいつまでも帰らないからだ」  居てくれたんだ。俺がいつまでも帰らなかったから… …。 「親父さんの跡を継ぐんだってな。頑張れよ」 「それは頑張るけど……あなたに会えなくなっちゃう。見かけることもできなくなる」  久しぶりに聞いた深森さんの声。何気ない会話に涙が出そうになる。あなたと過ごす時間はこんなにも嬉しくて貴重なことだったんだ……。  そうだ。言わないと……1番言いたかったこと。あなたにとっては、もうどうでもいいことかも知れないけど、どうしても聞いて欲しい。 「ねぇ深森さん。信じてもらえないと思うけど、俺あなたがいいんです。あなたが俺のこと嫌いでも、軽蔑されてても、あなたじゃなくちゃイヤなんです。迷惑なのは解ってるけど、いなくなる前に、それだけは伝えておきたくて……ごめんなさい。誰でもいいなんてわけなかった。そんなこと思わせてたくさん傷つけてた」  … …俺が関係を続けましょう。と言えば、あなたは喜んで俺を抱きしめてくれるとあの日まで信じて疑ってなかった。自分を愛してくれるなら愛してあげます。なんて幼稚で図々しい考え。とっくにあなたに見抜かれていたのに… …。  今更何を言ってもしらじらしいと思うけど、俺あなたがほんとうに好きなんです。馬鹿だから、あなたに捨てられるまで気づけなかった。 「今日は来てくれてありがとうございました。あと、迷惑を掛けました。俺帰ります」  俺はこの部屋にいちゃいけない。帰らなきゃ……。  立ち上がろうとしたけれど足に力が入らない。倒れそうになった体を深森さんが支えてくれた。 「まだ、無理だ。熱がある。それにまだ夜中だし服も乾いてない」  深森さんの匂い。体温。あったかい。優しい… …。  俺、あなたに、あんなにひどいこと繰り返したのに……。 「ごめんなさい。ごめんなさい!」 「謝らなくていい… …俺は解っていてお前のそばにいた」 「お願い。俺のじゃなくてもいい。もう少し。もう少しだけ誰のものにもならないで!… …俺、あなたに選んでもらえるように頑張るから!」  こんなこと言う資格なんかないのに、また深森さんを困らせてしまうのに。あなたの幸せを奪う権利なんかないのに… …でもどうしてもイヤなんです! どうしてもあなたを誰かに取られたくない!  いけないと思っても抱きしめた体を離すことが出来ない。殴られてもいい。それまででいいから、このままでいたかった。  肩を強く押される感触がしてふいに視界が反転した。深森さんの顔が間近に見える。そのまま俺にキスをしてきた? 噛み付くみたいに激しく、まるで食べられてるみたいだ。  どうしよう… …思考が追いつかない。唇を離すと、俺の顔を満足気に覗いている。抱きしめたい。抱きしめてもいいのかな? 「いいの? 俺、もう一度、あなたに触っても」 「触ってくれ。触って欲しいんだ」  嬉しい。けど、みっともないことに伸ばした手が震えてる。 「大丈夫か。まだ具合が悪いな」 「違います。その……俺、緊張して……」  言うと吹き出すように深森さんが笑った。すごい楽しそう。 「お前いまさら何言ってんだよ。今まですげー散々なことしてたくせに」  そうだ。俺ずっとあなたが笑うところを見ていなかった。  ひどいことばっかりしてたから。 「そのままじっとしてろ」  言うと喉元を舐められた。  深森さんが俺に触ってくれてる。  気持ちいい。  嬉しい。  頭がぼうっ… …として、フワフワする。  気がつくと深森さんの舌が下半身を触っていた。 「ちょ、ちょっと待ってください!」 「ダメだ」  逃げようとした腰をがっちりホールドされた。ぬるっとした感触がする。深森さんが、俺のものを舐めてる! どーしよう! こんなことさせたいんじゃないのに、でも歯が舌が気持ちよくてどうにかなりそう。無理。我慢できない。  逃げなきゃ! 思った瞬間軽く齧られて出してしまった。信じられない。深森さんの口の中に! 「ほんとに苦いもんなんだな」  飲んだ! 俺の全部! 「信じられないーー! 何するんですかーー! 深森さんはそんなことしなくていいのに!!」  やっぱ夢? 夢なのかな? それにしては生々しすぎる。 「俺がしたいんだから好きなようにさせろ」  さっきから、深森さん俺の妄想を越えて男前過ぎるし……。  うわっ… …!    深森さんが傷跡を舐めてる感触がした。まるで治してくれてるみたいに傷をなぞってくれる。   「やめてください。そんなことされたら俺… …」  また勃ちあがってしまったものを飲み込まれた。ずっと、優しく傷跡を撫でてくれている。体は熱いし、気持ち良すぎて、頭がクラクラする。  ママがぼくにさわってくれた。  うれしい。もっともっとさわってほしい。    きもちいい。  うれしい。    おなかがむずむずする。  だしちゃダメだよ。おこられちゃう。  でもうれしくてガマンできない。 「ごめんなさい。ごめんなさい。出ちゃう!」  どうしよう。  またきらわれる。    またママをなかせちゃう……。  ぼくがわるいこだから。 「そんなに俺のことが好きなんだな。嬉しいよ。桐生」  優しい手が、俺の頭を撫でながら抱きしめてくれた。視界が歪む。どうしようもなく涙が出てきて止まらなくて深森さんの体に喚きながら強くしがみついた。  なんにもいらない。親も家族も! だから神様、この人だけ、この人だけは俺にください!  みっともなく俺が泣いている間ずっとあやすように背中を撫でてくれた。幸せ過ぎる。夢だったらどうしよう。  ・・・・*・・・・*・・・・*・・・・    夢じゃなかった。  夢じゃないよね。  幾度も隣に眠る深森さんの寝顔を確認する。  深森さんの肉の薄い綺麗で清潔な顔が好き。  透明感のある白くて細い体。仕事が大好き過ぎて、熱中して、すぐ痩せちゃうんだよね。  こんなにかっこよくて優秀なのに全然自覚してないし。それに、すごいお人好しで優しい。  俺のダメなところ全部わかってて、全部赦してくれてた。包容力半端ない。  ほんとだよ。ほんとに好きなんだ。絶対今度はちゃんと伝えるから、絶対傷つけたりしないから… …。  ・・・・*・・・・*・・・・*・・・・ 「体調はもう大丈夫なのか」 「大丈夫です。迷惑かけました」  みっともないところばかり見せてしまった。恥ずかしい。深森さん呆れてないだろうか。 「これ俺の家の鍵です。もう一度もらって下さい。住んでもいいですよ」  確認したい。もう一度あなたのそばにいてもいいと許してもらったのか。もらってくれるだろうか。いやだと言われたらどうしよう。    待っていても返事がない。深森さんは俺を見て何か考えている。怖い。やっぱり気が変わったのかも。 「お願い。お願いです! もう一度、もう一度だけチャンスをください。絶対に今度は傷つけたりしない」  返事が待てず叫んでしまった。だって俺もう無理なんです。あなたがいない人生なんて考えられない! 「……俺、明日誕生日なんだけど」 「え? … …あ… …そうですよね」  そうだ。今日23日だった。こんなことになるなんて思ってなかったから何も考えてない。 「去年みたいになんでもくれるか?」 「え、ええ。もちろん。俺にできることだったら何でもします」  なんでも! なんでもします! 殴られても蹴られてもいい。もう一度あなたの側にいられるなら。 「じゃあ、おまえをくれ。おまえの未来を奪うことになるかもしれない。それでも俺はどうしてもおまえが欲しいんだ」  うーーーーなに、この人。  もう、好き過ぎて頭おかしくなる。 「不良品でも返品不可ですからねーー」 「ひでぇ商品だな。それより、お前それ以上目ぇ腫れたら会社行けねーぞ」  また出てきた涙で目がジンジンする。あなたが泣かせるようなことばっか言うからです! 「俺の誕生日にも同じのくださいよーーーー!」 「いいから会社行けよ」  深森さんが呆れたように笑ってる。行きたくない。ずっとこのまま抱きしめてたい。

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