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日曜日 その2
風呂から上がった、二人は、ベットでまた少し横になった。
「レオ君、レオ君。僕、オナニーもちゃんとした事なかったから、なんだかこの一週間で、頭がぐるぐるなんだ。レオ君に久しぶりに会ったのがこの前の日曜日。
そして、そこからいろんな出会いがあって、オーディションも受ける。先輩声優にはなんかよくわかんないけど揶揄われたみたいだし、こうして、今日はレオ君とオナニーしちゃった。
さっき、レオ君に好きって言ってもらえて嬉しかったよ。だから、離れないからね」
レオはその言葉を聞いて、確かにこの一週間でシノブの周りは目まぐるしく動いたのだと実感した。レオですら、一週間前にシノブに電話した時には、こんなことになるなんて思っていなかった。彼女と別れたショックすら忘れていた。しかも、シノブを襲ってしまいそうになっている。(現にシノブはオナニーだと思っているが、あれは、ほぼセックス)
勢い余って、シノブに告白までしてしまっている。冷静に考えたら、恥ずかしいこと言ったな・・・。
「レオ君、一緒にAV見てくれない?」
「へ????」
「僕のサンプルボイスの録音のために先輩がセクシーな声の練習しろって貸してくれたんだ。僕、童貞だし、一人で見るよりレオ君いてくれら・・・とか思って」
本当に、シノブは天然なのだろうか?それとも計算?これって誘ってる風に聞こえるんだけど・・・?
「お前がそうしたいならいいよ。付き合ってやるよ」
「やったー!じゃあ今聞こう。音声だけでいいんだ」
「音声だけ?わかったよ」
シノブはベッドから起きて、テレビの下のDVDプレイヤーの前でゴソゴソしている。
「レオ君、音声だけだからそのまま、一緒に聞いて」
まあまあな音量で、AVが流れ出した。リビングの横の寝室でも聞こえる音量だ。
「おいおい、まだ昼っパラから、こんな大音量でAV流すのはちょっとやばいんじゃない?」
「レオは、毛布を一枚つかんで、リビングに出てきた」
「え?やっぱりそうかな・・・。じゃあ、ここで一緒に聞いて」
ソファにシノブはゴロンと横になってる。
「レオ君、膝枕して」
すっかりシノブはレオに甘え上手になっている。
「はいよ。ここに頭乗せて」
レオも満更でもない。
音量を適度に下げ、画面を見た。
「え?これ、AVってかゲイビデオじゃね?」
「え?そうなの?僕、見たことないからわかんない。あ、でも確かに男しか出てきてないね」
「おいおい、これ、まじで見るの?」
「僕は、声だけ聞いてるから、画面はどちらでもいいよ〜」
そういうと、シノブはレオの膝枕で、顔は画面の反対側、レオの方を見上げて笑っている。
「まあ、お前がいいならだけど・・・お前は音声が必要なんだもんな」
「そ、僕はこういうセクシーな声が出せるようにならなきゃいけないの」
そういうと、シノブは目を閉じて聴き始めた。
レオは、画面から目が離せなくなっていた。
男同士でどうやってセックスするのか、想像はできても、ほんとのところはわからない。
こんなこと、周りに聞けるわけもなく、丁度良いところにこのAVという教材だ。生唾を飲んで、画面を食い入るように見た。最初は違和感しかなかった。男二人がキスしているシーンを見ても、別に興奮なんてしない。俺はやっぱりゲイじゃないんだな・・・なんて思いながら、膝の上のシノブを見た。シノブの唇に指がいく。
少し触ってみた。シノブがレオの指をぺろっと舐めた。
レオの中心が少し反応する。そのまま、シノブの口元に指を置いたまま。画面に目線を戻す。画面ではまだ濃厚なキスシーンが繰り広げられている。そのいやらしい音が部屋中に広がっている。シノブはその音声に合わせて、レオの指を舐めている。
「これ、くるな・・・」
思わずレオはつぶやいていた。
シノブの部屋はエロい声が反響している。さっきからのAVがずっと流れているためだ。シーンは次第に移っていって、男が男のそれを舐め始めていた。
「レオ君のここ、さっきから苦しそう・・・」
シノブの顔はレオの股間にある。膝枕をしているのだから、目の前だ。
「触ってもいい?」
「そんなこと聞くなよ・・・」
「じゃあ・・・」
そう言って、シノブが顔を上げた。シノブは体を起こすとソファの下の床に座り、レオの足の間にすっぽり収まった。ちらっと画面を見てみる。そこにはデカデカと二人の男が69の姿勢で互いのそれを舐め合っていた。とても気持ちよさそうな声を出している。それに刺激されて、シノブはレオのズボンに手をかけた。
「え、シノブ、ほんとに?」
「うん。だめ?レオ君の苦しそうだし。してみたい・・・」
こんなおねだりをされて、断れる自信はもう既になくなっていた。ズボンを下げると、レオのそれはすっかり天井に向いていきりたっていた。
「すごい・・・」
シノブがつぶやく。それと同時にサワサワと手で触られる。それだけで、はちきれてしまいそうだ。
「レオ君が言ってたみたいに、汚いって思わないね・・・」
そんなことをつぶやいて、シノブはレオのそれをぺろっと舐めた。
「あっっっ・・・」
思わずレオの口から吐息が漏れる。画面では段々と男の喘ぎ声が大きくなってきている。
「シノブ、ちゃんと聞いてるのか?お前、あんな声ださなきゃなんだろ?」
「うふんっっ。出せるよおぉぉ。頑張るもん〜っっ。大丈夫ぅぅ。はあっっ」
レオはその言葉を聞いてソファの背もたれに体を預けて、天を仰いだ。もうだめだ・・・
「レオ君、気持ちいいぃぃ??」
シノブが可愛く聞く。
「ああぁ、シノブ、やばいい。俺それ以上されたら、イっちゃう・・・」
「ちょっと待って、まだだめぇぇ。ぼくもおぉぉ」
そういうとシノブは自分のそれも自分の手で握っていた。テレビ画面の男たちもイキそうだ。
「ああ、シノブもう無理ぃぃ」
思わずシノブの口の中に放っていた。四肢がビクッと震える。
「やあぁあんっっ。出るうぅぅ」
口を開け、レオのそれを受け止めたまま、シノブも自分の手の平に、己のを出していた。レオは、シノブの顔についた自分の雫を指で拭き、まだ口に含んだままにしているシノブの口の前に手のひらを出して、ここに出すように促した。どろ〜っとシノブのかわいい口から出てくる。その姿にまた、レオは興奮してしまうのだった。
画面はいよいよ本番行為に移ろうとしている。所謂タチの男が、ネコの男のお尻を弄り出した。レオはシノブを膝の上に乗せ、自分を跨がせた。
「シノブ、ここからが、本当のセックスなんだけど、嫌だと思ったり、
痛かったりした、必ず我慢せずに言えよ。無理するなよ」
「うんっふぅ。わかった〜」
そういうシノブの顔はもう溶けている。レオは画面を食い入るように見入っている。シノブは耳では音を聞きながら、口では、レオの首筋や、頬、耳をクチュクチュいわせながら舐めている。いよいよ画面ではローションをつけ、後ろの蕾を弄っている。一枚一枚ひだの間を広げてゆっくり円を書くように、優しく触る。タチの男が、ネコの男のお尻の間に顔を埋めている。
ゆっくり舌を出して、愛撫する。ネコの男は、それだけで気持ちよさそうだ。ネコの男を四つん這いにさせ、優しく、指を蕾の中へ入れていく。こんなにスムーズに入るものなのか?
レオは釘付けだ。次第に入れていく指の数が増え、ネコの男が喘ぎ出す。その声に反応して、シノブも気持ちよさそうな声を発している。
「はあっんん」
「シノブ気持ちいいか?」
「うん、気持ちいいよ」
そう言われて、レオは思わす、シノブの蕾に触れてみた。
「ひゃあぁぁん」
シノブはびっくりしたようだ。
「無理にはしないから」
そう言って、レオは自分の指をシノブにしゃぶらせた。そのままヨダレで十分に濡れた指を蕾にあてがう。
「はあぁぁんん。そこなんか変な感じ」
「ん?そうか?痛くしないから、力抜いて。シノブ」
そう言って、レオはシノブの首筋にキスをする。シノブの体から力が抜けていく。画面では、既に男同士で繋がっていた。二人とも、とても気持ちよさそうだ。レオはそのまま、目の前のシノブを見る。よだれをだらしなく垂らしているレオの顔が、たまらなく愛おしい。蕾の周りを弄っている指に、ヒクヒクとした感触が伝わる。少し、指を入れてみる。
「やはぁぁん。そこ怖いーぃぃん」
シノブがそう言いながら、レオの首にすがる。
「今日はこれ以上はしないよ。ごめんごめん。ちゃんと準備してから、シノブが、ほんとにしたいって時にしような」
そうレオは言って、シノブを抱きしめた。
「レオ君、ごめんね」
シノブはレオに抱かれながら、レオの唇にキスをした。気がつけばもう、夕方になっていた。結局はAVを一本見たところで、微睡んでいた。
「シノブ、お腹空かない?何かご飯でも食べにいく?」
「うん、流石にお腹減った。ラーメン食べたいかも」
「お前がラーメンなんて言うの、珍しいな・・・」
「じゃあ、あの昔よく行ってた、公園の西っ側にあった、あのラーメン屋、行ってみるか?」
「うん。高校生の時、行ってたとこだよね。僕はチャーハン食べてたけど」
「ははははは。そうだったな。シノブはチャーハン食べてた」
「今日はラーメン食べる」
「わかったよ。じゃあ、着替えて、行こう」
二人は久しぶりに服を着たような気分になっていた。
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