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第二章 先生と、結婚するの?

 二度目に心路と彩人が絵画教室を訪れた時、アトリエは多くの人で賑わっていた。 「……」 「彩人、どうしたの?」  彩人は心路の脇をすり抜けると、アトリエには入らず人気のない応接室にこもってしまった。 「どうしました?」 「あ、関先生。彩人が勝手に応接間へ入ってしまって。すみません」  すぐに連れてきます、と言った心路だったが、彩人はびくともしない。 「彩人くん、人が大勢いたからびっくりしたんだね」  研悟は静かに彩人に近づき、そっと背中を押してソファに掛けさせた。 「ここで描いていいよ。無理はしなくていい」  彩人はその声に安心したのか、持参したスケッチブックを開いた。  絵具をパレットに出し、あの時のように指で描き始めた。 「すみません……」 「いえ、お気になさらず」  今日は、何を描くんだろう。  心路と研悟は興味津々、彩人の作品が出来上がるのを待った。

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