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第六章 夜を越えて
研悟の指先は、その武骨な手のひらに似合わず器用だった。
心路の左胸をさまようその指が、小さな乳首をこれ以上ないほどに勃起させていた。
つつく、こねる、つまむ、撫でる、押し潰す。
そうやって弄られながら、右の乳首は口で愛撫される。
舐める、食む、齧る、吸う、弾く。
「んぁ、はぁ、んッ。っく、んんあぁ」
心路は指を噛んで、必死で快楽に耐えた。
それでも、声が漏れてしまう。
身体が、悶えてしまう。
やがて研悟の指が、心路の後ろに回された。
そろりと、体内に入って来る感触。
(ローションが無いから、不安だったけど)
心路の後膣はΩの愛液でたっぷりと濡れており、研悟の太い指もスムーズに呑み込んだ。
「あぁ、研悟さん……」
「大丈夫? 苦しくない?」
せわしく首を縦に振る心路のペニスはきちきちに勃っており、彼はそれを自分でいたずらしていた。
「でも、ダメです。あぁ、もう、出ちゃいそう」
「いいよ、吐いても。ここにティッシュがあるから」
すぐに拭き取ってあげる、と研悟はどこまでも優しい。
「ご、ごめんなさい!」
背を反らせ、心路は久しぶりに射精した。
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