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第六章・3
「んっく、あぁ。はぁ、あ。んあぁ……ッ」
久々に体内に異物を迎え入れ、心路の目から涙がこぼれた。
痛いわけじゃない。
苦しいわけでもない。
ただ、愛しい人を受け止められた切なさと悦びに、打ち震えた。
ゆっくりと抽挿を始めた研悟の腰突きは、どこまでも静かで丁寧だ。
くちゅん、ぷちゅんとかすかな音をたて、心路の身体を行き来する。
「あ、はぁ、はぁ、あぁ。んんあ、あ。っく、はぁ、ああ!」
指を噛むだけでは、抑えられない。
心路は手のひらで口を覆って、喘ぎを殺した。
「心路さん、声を聴かせて」
ぐいっ、と研悟は上半身を前に倒し、心の手を甘く噛んだ。
結合が深くなり、研悟の逞しいペニスは心路の奥まで貫いた。
「や、ダメッ。あ! あぁあ!」
「可愛い声だ」
「そ、んな。あぁ……、また!」
心路の精が、二人の腹の間に流れ込む。
研悟が動くたびに、それが粘っこい音になって心路を燃え立たせる。
「あ、もうダメ。研悟さん、早く……。早くぅッ!」
両手両足を研悟に絡ませ、心路もまた腰をうねらせた。
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