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第七章・7

「いや、一日くらい練習しておこうかな、と思って」  いきなり僕の家へ一人でお泊り、では彩人くんも心細いだろう。  そう、研悟は心路に説明した。 「でも、ご迷惑じゃ……」 「とんでもない。返って楽しみなくらいだよ」  彩人はすっかりその気になって、ご機嫌になっている。 「ね、ゲーム持って来てもいい?」 「いいよ」 「トランプは研悟先生にかなわないけど、ゲームは僕の方が強いよ、きっと」 「ははは。お手柔らかに」  研悟の気遣いに感謝しながらも、その真意には気づかない心路だ。  お世話になります、などと言って頭を下げた。 (心路さん、僕が絶対に守って見せるから)  研悟の胸の内は、熱く燃えていた。

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