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第十章・3
『ミナカミ製薬こども文学賞・絵画部門最優秀賞・宮崎 彩人』
朝刊やウェブ上で発表された選考結果には、堂々と彩人の名が輝いていた。
「やった……。やったぞ……」
「さ、最優秀賞」
「一等賞だ!」
万歳、と研悟は彩人を何度も何度でも、高い高いと天井に放り投げては受け止めた。
「研悟先生! 僕はいいから、もう一個の大切な約束!」
そうだったな、と研悟は彩人を床にそっと降ろすと、ポケットから小箱を取り出した。
「心路、結婚しよう」
開かれた小箱の中には、ダイヤの煌めく婚約指輪が輝いていた。
「彩人の才能は、見事に花開いたよ。今度は、僕が。いや。僕たちが」
「研悟さん」
「いいね?」
「はい。結婚してください」
やったぁ、と彩人が思いきり伸びをして万歳をした。
「僕、友達の家に遊びに行くから、キスとかしててもいいよ」
「彩人ったら!」
それでもやはり、二人はキスをした。
二人の恋も、鮮やかに花開いた。
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