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水曜日の恋人はいじわる⑫ JKコスプレが似合わないっ!!♥

「無理…、これは絶対に無理…。」 家族が寝静まった深夜、しつこく辺りを確認して昼間に手渡された女子高生の制服を手に取った。 「日曜日は、これを着て来い」と満面の笑みで男の俺に女子高生の制服を渡して来たのは俺が付き合っている三田遼太、手渡されたのが俺こと結城友也だ。 日曜日には遼太と初めての映画デートをする約束になっている、全く興味のない映画でシリーズモノの『4』から見るコトになっていて乗り気でもないのに、当日JKのコスプレを男の俺にして来いとは何の罰ゲームだろう。 すごい勢いで「こんなの着れるかぁぁぁ!!」と吠えたら「着れたらでいいよ」と遼太が寂し気な顔を見せるから、思わず自宅に持って帰ってしまった、こんな服を母親に見つかったら徹夜で尋問されそうだ。 絶対見つからないように隠して、家族が寝静まった深夜に女子高生の制服を手に取った。 ベッドの上に広げた遼太の親戚のお姉さんが着ていた制服は結構大きく、背の高い遼太一族の遺伝子が女性にも発動されているのかもしれないと思った。 JKのコスプレを男の俺にしろと? その格好で街中を歩けと言うのか? 気が狂ってんのか遼太は、バカすぎる。 バカだと思うけど遼太の望みなら叶えたいと思っている俺もいる、彼の希望する服を着るだけで喜んでくれるのなら、それは俺にとっても嬉しいコトでもある。 気が乗らないけど、とりあえずJKのコスプレをしてみることにした。 ―数分後―― 大声が出そうになった口元を抑えて呟いた。 「無理…、これは絶対に無理…。」 黒色のブレザーと赤いリボンタイを付けるのは別にいい、でもタータンチェックのヒダスカートがダメだっ、男なのにスカートを履く行為が変態ぽくてダメだっ! 後、鏡に映る俺の顔が女の子ぽくない、頬とかふっくらしていないし女の子にしては面長で違和感を感じる、髪が短いから細いボーイッシュな女の子になるのかと思ったけど、そうでもない。 ガタイの良い遼太といると自分は小さいくて細いから女性的だと勘違いしていた、なんだかんだ言っても俺は男で女の子の服を着た所で女の子に見えるワケでもない。 女装が似合わないコトにイラつくけど、俺に女装を希望する遼太にもイラつく。 これって女の子が良いっていうコトだよな? 男の俺と付き合うのに無理させていたのか? タータンチェックのスカートから出ている生足は女の子らしい柔らかな曲線を描いていない、固く筋張った印象を受ける脚が二本並んでいる。 「愛された方が幸せじゃない?」 昼間に副会長へ言った言葉が思い出された、「愛する」より「愛される」方が俺はラクだと思っている、遼太は水曜の放課後には生徒会室に現れて俺とセックスをする、男の俺に欲情するくらいだから遼太が「愛する」側で、俺が「愛される」側だと思っていた。 遼太は俺の態度が悪くても許容してくれた、それは「愛する」側だから?、でも最近は俺が望まないコトをしてくる。 俺にとってはラクな「愛される」側の立場が揺らいでいる、嫌なコトは突っぱねればいい、しかし彼に嫌われるのは困る、彼に「愛される」側で居る為には俺が望まないことでも許容するしかない。 壁に掛けてあるB5サイズほどの鏡を外し、ベッドに持ってきて座り自分の姿を確認する。 遼太はセックス中に俺の顔をよく眺めている、彼を欲情させているであろう顔、角度を変えたり目を細めてみたりしてみたが自分ではよく分からない、普通の小柄な男にしか見えない。 何に興奮しているんだろうヤツは? 体か?、女好きなのに男のケツに突っ込んでいる自分に酔っている? スカートを捲り露わになった自分の太ももに目を向けた、スカートを履いているだけあって若干エロい、その先はトランクスなのでエロくはないし、玉とかも普通にあるから盛り上がってもいる。 溜息を付いてベッドに横たわった、仰向けになって持ち上げた鏡の中にある俺の顔は曇っている。 普通の男の姿をしている俺とセックスするのが飽きたから、JKのコスプレをさせようとしているのだろうか? 「愛する」より「愛される」方が俺はラクだと思っている、自分から積極的に働きかけをしないといけない「愛する」は身も心も削った割に報われないコトが多かった、愛を捧げる報酬として俺を大切にして欲しいと願うは間違っているのだろうか。 それに比べて「愛される」はラクだ、「愛する」をしてくれる相手を許容するだけでいいのだから、遼太は俺の好みに合っているから嫌ではない、嫌ではないのだけど俺に欲が出てきた、出来ればこのままずっと彼に「愛されたい」という欲だ。 遼太に、ずっと愛され続けるには何をしたら良いのだろうか? セックスをさせるコト?、甘い言葉を吐くコト? ずっとだから、未来、明るい未来を見せるコトか? リボンタイをズラしてシャツのボタンを外した中にあるのは乳首こそは付いてはいるけど平らな男の胸、他の部位よりは肉厚な太ももの先にあるのは男性器官と本来の使用用途とは異なる使い方をしている穴。 俺が男である限り遼太と永遠には居られない、明るい未来を見せるコトは出来ない、これは仕方のないコトだ。 分かっているけど、もう少し俺の心が強くなるまでは、遼太のそばに居たい。 鏡の中の俺の顔は不機嫌が全開になっている、仰向けで両手で鏡を持ち上げている格好、視点的にはセックス中に遼太の顔がよくある場所だと気が付いた。 こんな感じで俺を見ていたんだ、へぇ… 鏡に映っているのは不機嫌全開の顔、でも彼が興奮気味に見ていたのはこの顔じゃない、俺はどんな顔を晒していたのだろうか、一度自分でも見て見たいと思った。 先ほども確認したが、もう一度聞き耳を立てて家人が寝静まっていること確認する、自分慰める分にはさほど声も出ないし、物音もしないが念の為だ、確認を終えてヘッドボードの前にある枕に鏡を立てかけた。 鏡に映っているのは女子高生の制服を着てベッドに座っている自分、リボンタイがずれて胸元が乱れている、知らない女の子がこんな姿をしていたら嬉しくもあるのだろうけど、俺だし胸も膨らんでいないから全く興奮しない。 遼太になった気分でヤるしかない。 散々同じ手順は踏んでいる、長い長いキスの替わりに手の甲を唇へ押し付けて舌で舐めた、余った手を耳と頬に当て撫でる、手が冷たい、遼太の手は温かいのに、頬を滑らせた手を首筋から胸へと滑らせた。 背の高い遼太とのキスは顎を突き上げる格好になる、湾曲する背筋が胸を張らせる、何も膨らんでもいないのに胸を触るのが好きな彼、冷たい指で胸を掴んだ。 「遼太…」と口から彼の名が漏れた、思考が曇ってくる、彼を思い出して体が興奮してきた、後ろ手にスカートを捲った中にある穴へ指を挿れようとしたが体が硬くて思う様に動かせない、膝を折ったままベッドへ突っ伏した。 穴に挿れたいのに自分じゃ無理…。 仕方ないから勃っているモノに手を移した、イク顔を見たいだけならココを扱けば良いコト、手で擦りながらベッドに突っ伏した顔を上げて鏡の中の自分を見た。 ベッドに蹲っている格好、胸元で揺れるリボンタイ、スカートの中に突っ込んでいる手は忙しく動いている。 俺の霞んだ目に映る鏡の中の姿は、あさましくも艶やかで煽情的、「愛される」為に自我を閉じ込めて献身する様は屈辱的、思考が曇る…。 女の子ではないのに女の子の恰好をして、女の子にはない器官から快感を得ようとする自分、先走り汁が漏れだして来てヌメついてきた、愚かでバカな行為をしている自分、口から甘い荒い息が出てくる…。 …ぁ……、…ぁ…、…、…、、 込み上げて来る射精感、ヌメついた手、摩擦のスピードが上がる、射精が近い、グチョつく手で擦り快感で体が切なく震えた。 …、♡♡、♡、…!!!!、♡♡♡…!! ♡♡♡♡♡♡♡…!!!!!!、♡♡♡♡♡、♡♡…!!! 「ぁっ♡、ぁぁ、は…ぁ♡、♡、…!」 トランクスの中に勢いよく放出した精液、気持ち良くて体が震える、ベッドに突っ伏したままの顔、だらしなく開いた口から荒い息が止まらない。 こんな格好で…、バカか…。 自己嫌悪でイラつきながら顔を上げた先に鏡が見えて思い出した。 顔、イった時の顔を見るんだった! 慌てて手に取った鏡の中に居る自分は上気して頬が赤くなっているくらいで、格別に色っぽくなっているワケでもなくガッカリした。 イク瞬間?、イク瞬間が重要なのかっ!! 性格的に負けず嫌いなのもあって再チャレンジをしようと思ったが、頭の奥の方にある理性という分野が「やめとけ、やめとけ」と強い指令を出して来たので思い止まった。

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