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第17話

朝、目を覚ますと目の前には満たされた顔で俺を見つめる城崎。 超ドアップ。 マジでこいつの顔面人間国宝だわ。 「おはよ。」 「おはようございます、先輩。」 「今何時?」 「8時です。」 「マジか。結構寝たな。チェックアウト何時?」 「8時半ですけど、延長してもいいですよ。」 「いや、出る。」 「えー。俺今めちゃくちゃ幸せなんで、まだこのままがいいです。」 城崎は俺の髪や頬にキスをして甘えてくる。 可愛いけど、これが女だったらなとか、逆に俺が女だったらなとか思ってしまう。 まぁでも、長居する気もないのでベッドから降りると、城崎は本当にしょんぼりしていた。 バスローブを脱ぐと、城崎はキラキラした目で俺をみる。 「何?」 「乳首、また隠れちゃいましたね。」 「うわ、ほんとだ。やっぱそんなすぐ治るもんじゃねぇな。」 「俺の前だけで素顔見せてくれるって、可愛い乳首ですよね。」 「おまえが引っ張り出したからだろうが。馬鹿言ってねぇで、お前も早く着替えろ。」 「アイロンのかかってないシャツ着てる先輩、朝帰りっぽくて萌えます。」 「正真正銘朝帰りだわ。」 昨日着ていたシャツを羽織ると城崎がそんなことを言う。 たぶんこいつは盲目すぎて、俺が何しても可愛いんだろうな。 本当、変な奴。 「ほら、マジで着替えねぇとチェックアウト遅れるぞ。」 「先輩がチューしてくれないと嫌です。」 「何言ってんだ。早くしろ。」 「ケチー!先輩のケチー!」 ブーブー文句垂れる城崎を置いて、俺は洗面所で身なりを整えた。 歯を磨いてるとスーツに着替えた城崎が後ろから俺を抱きしめてきた。 「なに?」 「いやぁ、新婚さんみたいでいいなって…。」 「アホか。」 「今日本当に本当に幸せでした。先輩、マジで付き合いませんか?俺、先輩のことめちゃくちゃ大切にするし、絶対幸せにする自信あります。」 「ブハッ…ゲホッ……!」 超ド直球な愛の告白に咽せた。 歯磨き中になんて事言うんだ、この馬鹿。

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