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第18話
「だからさ、おまえの恋愛観を否定するつもりはねーけど、俺自身が男と付き合う趣味はねーんだって。」
「でも先輩、やってみなきゃわかんないって。俺、まだ先輩としてないです…。」
「あーわかったわかった。わかったからそんな顔すんな。」
分かりやすく悲しそうな顔をした城崎にそう声をかけると、さっきの反応は芝居かと疑うレベルに尻尾振って上機嫌だ。
こいつマジで年上キラーすぎるだろ。
母性っつーか、男の場合だと父性?
そういう何か本質的なものが擽られる。
「なぁ、ちなみに俺って挿れられる側…だよな?」
「はい。……あ、ちなみに俺多分上手い方だと思うんで心配しないでくださいね!」
恐る恐る尋ねた質問にも上機嫌に、さも当たり前かのように返答された。
いや、心配しかないが?
俺の排泄器官が別の用途に使用されると宣言されたようなものだ。
「絶対痛ぇだろ…。」
「死ぬほど優しくするので大丈夫ですよ。先輩は素質あります!胸でこんなに感じるんですから!」
「ひゃっ…!こら!!城崎!!!」
スリスリと俺の頭に顔を乗せながら、城崎は俺の胸をシャツ越しに触った。
本当手癖が悪い。
てか、俺も俺でいちいち気持ち悪い声出すのやめたい。
死にたくなる。
そうこうしている間にチェックアウトの時間になり、俺たちは部屋を出た。
「先輩、今日は俺の気持ちがもう抑えきれなくて取り敢えずのホテルでしたけど、次はもっといいとこ行きましょうね。」
「いいよ別に。やることやるだけだろ。」
「先輩意外とムードないこと言いますね。先輩の初めて、全部俺のモノにするんだから気合い入れたいです。」
「逆におまえは意外とロマンチストなんだな。」
「本気ですから。」
金はもう既に城崎が払っており、俺と城崎はラブホを出てそれぞれの家に帰った。
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