21 / 1069
第21話
「先輩、ところでランチの件は…」
「あぁ、ごめん。涼真と約束してるから無理。」
「柳津さんと…」
「うん?」
「仲……いいですよね……。」
「同期だしな。」
こいつは何凹 んでんだ?
まぁランチ断ったのは悪いけど。
どっちかというと引っかかってるのはランチ行く相手っぽい。
俺と涼真はただの友達なのに何を気にしてるんだか。
城崎はとぼとぼデスクに戻り、仕事を再開した。
俺もデスクに向き合い、ひと段落終えた頃にはランチタイムの時間になっていた。
涼真と一緒に社員食堂に向かい、日替わり定食を注文して席についた。
「もー。やっと部長に押し付けられた仕事終わった!午後から元々預かってた仕事やんなきゃだし。終わるかなぁ…?」
「ファイト〜。」
「ていうか、綾人さ、最近城崎と仲良いよな!」
「そうか?」
「城崎すっげぇ忠犬っぷりじゃね?いや、なんか元々綾人のこと慕ってたというか、よく後ろついて回ってたイメージあるけど、最近今まで以上というか。なんか尻尾が見えるんだよ!」
「それは分かる。」
俺以外にも見えてんのか、あの尻尾。
本当に生えてんのか?って思うくらい見えるんだよ、幻覚が。
城崎の話はほどほどに、仕事の話とか、同期が結婚したとかどうとか、いろいろ話しているとあっという間に1時間が経った。
「仕事嫌だー。戻りたくない〜。」
「ほら、さっさと終わらせて定時に帰るぞ。」
「定時に終わったらご飯行ってくれる?」
「いいよ。」
「やったー!頑張ろ〜!」
涼真がご機嫌にデスクに戻っていくのとすれ違いに、ムッとした顔の城崎が俺に近づいてきた。
「先輩のバカっ!」
「は?」
城崎はすれ違い様に俺にそう吐き捨て、何処かへ行った。
え、なに?もしかしてあいつって見た目に反してメンヘラな感じ??
脳内疑問符だらけのまま、無事定時に業務を終えた涼真と飯に行き、ランチに続く積もる話を翌日に響かない程度に語りまくった。
ともだちにシェアしよう!