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第21話

「先輩、ところでランチの件は…」 「あぁ、ごめん。涼真と約束してるから無理。」 「柳津さんと…」 「うん?」 「仲……いいですよね……。」 「同期だしな。」 こいつは何(へこ)んでんだ? まぁランチ断ったのは悪いけど。 どっちかというと引っかかってるのはランチ行く相手っぽい。 俺と涼真はただの友達なのに何を気にしてるんだか。 城崎はとぼとぼデスクに戻り、仕事を再開した。 俺もデスクに向き合い、ひと段落終えた頃にはランチタイムの時間になっていた。 涼真と一緒に社員食堂に向かい、日替わり定食を注文して席についた。 「もー。やっと部長に押し付けられた仕事終わった!午後から元々預かってた仕事やんなきゃだし。終わるかなぁ…?」 「ファイト〜。」 「ていうか、綾人さ、最近城崎と仲良いよな!」 「そうか?」 「城崎すっげぇ忠犬っぷりじゃね?いや、なんか元々綾人のこと慕ってたというか、よく後ろついて回ってたイメージあるけど、最近今まで以上というか。なんか尻尾が見えるんだよ!」 「それは分かる。」 俺以外にも見えてんのか、あの尻尾。 本当に生えてんのか?って思うくらい見えるんだよ、幻覚が。 城崎の話はほどほどに、仕事の話とか、同期が結婚したとかどうとか、いろいろ話しているとあっという間に1時間が経った。 「仕事嫌だー。戻りたくない〜。」 「ほら、さっさと終わらせて定時に帰るぞ。」 「定時に終わったらご飯行ってくれる?」 「いいよ。」 「やったー!頑張ろ〜!」 涼真がご機嫌にデスクに戻っていくのとすれ違いに、ムッとした顔の城崎が俺に近づいてきた。 「先輩のバカっ!」 「は?」 城崎はすれ違い様に俺にそう吐き捨て、何処かへ行った。 え、なに?もしかしてあいつって見た目に反してメンヘラな感じ?? 脳内疑問符だらけのまま、無事定時に業務を終えた涼真と飯に行き、ランチに続く積もる話を翌日に響かない程度に語りまくった。

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