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第22話
金曜日の終業後、今日は営業部の歓迎会だ。
「みなさん、今週もお疲れ様でした!遅くなりましたが、営業部の新しい仲間、雀田くんの入社を祝して歓迎会を開催したいと思いま〜す!では、雀田くんから一言!」
営業部メンバーほぼ全員が参加する中、幹事をしてくれている主任が司会を務めてくれていた。
雀田くんは全然緊張した様子を見せずに前に立つ。
「あー、えっと…。本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。この4月から営業部でお世話になってます、雀田琥太郎で〜す。分かんないことばっかなんで、迷惑もかけると思いますがよろしくお願いしま〜す。」
所々改善すべき言葉遣いや語尾が見受けられるが、まぁ無礼講な場ということでみんな拍手で出迎えた。
部長が前に立ち、みんなビールやほうじ茶片手に部長の方へ畏 まる。
「えー、雀田くん、入社おめでとう!君に伝えたいことは一つ、『顧客に笑顔と満足を』。この言葉を胸に刻み、営業部のメンバーとして新たな人生の一歩を踏み出して欲しい!それでは乾杯の温度を取らせていただきます。続いて、乾杯のご唱和をお願いします。新たなメンバーとこの場のみなさまのご活躍とご健康とともに、Sコーポレーション営業部のますますの発展を願いまして、乾杯!」
「「「かんぱ〜〜〜い!!」」」
グラスのぶつかる音が心地いい。
皆それぞれに頼んだ飲み物を飲み干した。
俺はジョッキに注がれた生ビールをグビグビと一気に飲み干した。
「望月やるじゃーん!」
「お?望月はいける口だったか?じゃあ俺からも…」
「ありがとうございます、頂きます。」
部長からヒタヒタに注がれた生ビールを更に煽る。
あーやべぇ。気持ちいいけどこれあとでヤバそう。
この雰囲気に呑まれて酒を煽る奴は俺以外にも割といて、数時間後には何人かが端の方で酔いつぶれていた。
もちろん俺もその一人なわけで。
「望月くーん。もうそろそろ帰らなきゃだよ〜?」
「望月と家近い奴いるか?」
もうみんな帰る準備してるっぽいな…。
立ち上がろうとするが足元がおぼつかない。
「わぁ!?大丈夫ですか?」
「んー、あー、ごめん……」
部下の肩にもたれかかってしまう。
やばい。頭いてぇ……。
「ちょ、誰か…!あ、柳津さんって望月さんと同期ですよね?」
「俺?いいけど。綾人〜?大丈夫?」
「涼真ぁ…」
「さすがにペース速すぎたんじゃない?俺ん家ここから近いから今日泊まる?」
「泊まる……」
部下の肩から涼真の肩に手を移動させた瞬間、後ろからグイッと引っ張られて、重心が整わない俺はあっさりとそっちは倒れる。
俺を後ろから引っ張ったのは城崎。
いつもの城崎じゃなくて、めちゃくちゃ怒ってる城崎だ。
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