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第34話

「じゃあな。」 昼前に解散し、俺たちはそれぞれの家へ帰った。 家に着いてシャワーを浴び、ベッドにダイブする。 スマホを見ると、涼真から着信とメッセージが入っていた。 『大丈夫か〜?』22:12 『城崎の目ヤバかったけどなんか怒られた?』22:14 『寝てんのか?おやすみ〜。』22:17 結構早くに返事を待つことを諦めてるのが送信時間で分かったため、心配してるようにみえてそんなに心配してないのが涼真らしくて吹き出してしまう。 『介抱してもらってた。大丈夫。』 敢えてホテルに行ったとかそういう詳細を送る必要性を感じなかったので、適当に返事をして目を閉じる。 夢の世界へ旅立つ一歩手前で、スマホがピロン♪っと音を鳴らす。 『先輩、大好きです』 さっき別れたばかりなのに、城崎から愛の告白だ。 俺が既読をつけたから起きてることがバレて、立て続けにメッセージがくる。 『先輩、声聴きたいです』 『今、どんな格好ですか?』 『先輩はパジャマ派?ジャージ派?』 『先輩の顔が見たいです。自撮り送ってくれませんか?』 いや………、しつこい。 『うるせぇ、早く寝ろ。』 送信すると、すぐに着信がかかってきた。 応答すると、スマホ越しに食い気味の城崎の声が俺の耳に噛みついた。 『先輩っ!』 「しつこい。ブロックするぞ。」 『なんでですか!?いやぁ、電話ってなんかいいですね…♡先輩、今何してるんですか?』 「寝ようとしてたとこだよ。」 『先輩のベッドはどれくらいのサイズですか?』 「普通にシングル。逆におまえはシングルじゃねぇの?」 『俺のはセミダブルです。いつか一緒に寝ましょうね♡』 「いつか……な。ほら、もう切るぞ。」 切ろうとすると、電話越しに城崎の慌てた声が聞こえてくる。 『待って、待って。先輩、今日からゴールデンウィークじゃないですか?俺、その間会えないの無理です。耐えられません…。』 「あー、そう言えばそうだったか。どっか行く?」 『はい!デートもしたいし、あ、あと約束のホテルも行きませんか?次の日休みの方がいいと思うんです!』 「ゴールデンウィークなのに予約取れんの?」 『毎日キャンセルチェックしときます!先輩、いい?』 「いいよ。じゃあ、切るぞ。」 『ま、待って…!早い…!』 「おやすみ。」 駄々こねる城崎を無視して通話を切った。 城崎は俺に切られて言えなかった『おやすみなさい』をハート付きでメッセージで送ってきた。

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