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第35話

日曜日。 朝8時に城崎からであろう通知に起こされた。 どうやら昨日の今日でデートをするらしい。 ゴールデンウィークが長いから会えないの耐えられないって言ってた気がするが、これじゃあ毎週訪れる週末も我慢できないと同義じゃないか? 適当に着替えて外出の準備をする。 普段スーツしか着ないから、私服って小っ恥ずかしいんだよな。 暑くなってきたからTシャツに薄手のカーディガン、デニムのパンツを履いて、待ち合わせ場所の駅に向かう。 駅に着いたら城崎はすぐに見つかった。 周りの女の子が通るたびに振り返ってるし、そして何より背が高い。 つか、私服までかっこよすぎだろ…。 「おはよ。」 「おはようございます。先輩、私服初めて見ました。めちゃくちゃ可愛いです。」 「いや、おまえに言われると悲しくなるわ。」 「……?」 城崎はチャコールグレーのシャツのセットアップ。 こんなん俺が着ても似合わねーもん。 長身でイケメンは本当何着ても似合っちゃうんだから狡いよな。 「城崎身長いくつだっけ?」 「185です。」 「そりゃでけぇわ。俺より8cmも高いのか。」 「俺があと4cm伸びればキスしやすい身長差らしいですよ?」 「隣り歩くの恥ずかしくなるから今のままでいいよ。」 185cmとか男が憧れる高身長じゃん。 鼻も高ぇし、時々日本人かどうか疑わしくなるわ。 ニコニコ俺を見つめている城崎の背中を叩く。 「そんな見つめてたら周りから変な目で見られんだろーが。」 「すみません、つい。それより先輩、どこ行きたいですか?」 「どこでも。」 「じゃあ俺の考えてきたプランで行きますね。」 なんだ、バッチリ考えてきてんじゃねぇか。 あくまで俺の希望優先ってことなんだろうな。 本当俺に甘いな。 「そんで?城崎が考えてきたプランでは今からどこに行くの?」 「水族館です。最近近くに新しい水族館が出来たんですよ。イルカもペンギンもいるって。」 「へぇ〜。」 スマホで目的地の水族館について調べてみたら、結構いろんな種類の人気動物がいて好評らしい。 電車に揺られて30分、目的地へ到着した。

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