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第47話

メッセージアプリに登録されていた約250人の友達は、城崎の手によって50人程に激減した。 終わった頃には城崎は満足そうな表情をしていたが、俺はげんなりとやつれていた。 「あとは…」 「まだなんかあんの…?」 「俺以外の男の人と二人で食事とかは行ってほしくないです。」 「えぇ?」 「だって、こんなに可愛い先輩と二人きりでお酒も入ったら、何が起こるか分からないじゃないですか。」 「俺に欲情する男なんておまえくらいだよ。」 「そんなことないです。」 城崎は不安そうな顔で俺の手を握る。 応えてやりたい気持ちは山々だけど、俺だって約30年間過ごしてきて、親友の一人や二人くらいいるもんだ。 それに女との関係を断ち切れと言うなら、俺に残された友達は男だけになるわけだし。 そこを切られちゃ、城崎と家族以外いなくなっちまう。 「涼真はいいだろ?お前も知ってるし。」 「柳津さん…ねぇ…?言っときますけど去年ずっと柳津さんに嫉妬してましたよ、俺。」 「何で?」 「あの人、距離感近いんですよ。」 城崎にそう言われて思い返してみる。 たしかに、まぁ他の奴よりはかなり距離感近いかも。 パーソナルスペースがかなり狭いんだ、多分。 「抱きついたりとか平気でするじゃないですか、柳津さん。」 「たしかにな。でも俺以外にもそうだろ?」 「そうですけど…。先輩が俺以外の人と抱きしめあったりとか、考えたくないです。」 「抱きしめあってはねーだろ。一方的に抱き付かれてるだけで。」 城崎の表情が晴れない。 でも俺だって、数少ない親友との関係は切りたくないしな。 「じゃあ、飯行くときはちゃんと連絡する。」 「本当?」 「誰と何処に何しに行くか、何時に帰るかちゃんと伝える。」 「俺が連絡したらすぐ返事くれますか?」 「あぁ、いいよ。」 「あと、飲みすぎちゃ駄目ですよ?前みたいに柳津さんにお持ち帰りとかされちゃったら嫌です。」 「お持ち帰りじゃなくて介抱な。しかもお前と違って健全な。」 さっきまで俺を尻に敷いて女王様みたいだった城崎が、今は仔犬のように尻尾垂れて俺に甘えてお願いしている。 こんなの、わがまま聞いてあげるしかないじゃん。 「酒も控えるし、そもそも飯も控える。でも涼真とは今まで通り定期的に飯は行きたい。ちゃんと連絡はする。それでいいだろ?」 「………はい。」 「まだなんか不満ある?」 「俺だって先輩の友達0にしたいわけじゃないので、これ以上は譲歩します…。」 こうして、俺と城崎の取り決めが無事終了した。

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