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第48話
ゴールデンウィークも残るところ二日。
昨日激しい独占欲と様々な束縛事項を取り決めた後、俺のために夕ご飯を作って帰った城崎。
今日は久々にゆっくり起きて、一人暇な一日を過ごしていた。
『今から迎えに行きます。』
そう連絡があったのは正午を過ぎた頃だった。
つまり一人暇なのは半日だけになった。
ゴールデンウィーク、毎日城崎と会っている気がする。
今日は一体何があったのか、もしかするとただ会いたくて来るだけなのかもしれない。
このペースで会ってたら、これから週末どうする気なのか。
ダラダラしているとインターホンが鳴って、マンションの入り口のロックとエレベーターロックを解除する。
再度インターホンが鳴って部屋のドアを開けると、畏 まった格好の城崎が立っていた。
「先輩、昨日ぶりです。」
「ん。今日どっか行くの?」
「キャンセル出ました!」
「?」
「狙ってたホテルの。とは言っても、スイートルームは空きが出なかったんですけどね…。でも先輩、気に入ってくれると思います。今日の夜は覚悟しててくださいね♡」
今にも鼻歌を歌い出しそうなほどご機嫌な城崎はギュッと俺を抱きしめて、スキップしながらリビングへ向かった。
さっさと俺に準備しろと言うことらしい。
てか、いいホテルってことは、高級ホテル?今日最後までするってことだよな…?
「城崎、シャワー浴びていい?」
「向こうで一緒に入りましょ?」
「一緒はやだ。」
「駄目ですよ。痛くないようにトロトロにしてからじゃないと。」
お風呂もセックスの前準備として含まれているようだ。
俺だって女役やらされるなら多少なりとも見た目は整えておきたいのにさ…。
俺の恋人はそんなことすらさせてくれないらしい。
てか、風呂一緒にって恥ずかしくね?
いや…、男同士だから普通?…普通なのか?
でもあいつに限ってただ一緒に入るわけじゃないだろうし…。というか、準備って言ってるし。
パンツと…、変えのパンツと…、一応もう一枚入れとくか。
あとは明日の服。こんなもん?
なんか忘れてもホテルならなんとかなるか?
大抵のもん、フロントに頼めば何かしらあるだろ…。
俺、いいとこ泊まったことなんか数回しかないし…。
しかも彼女いる時だから相当前だ。
「先輩っ!準備できました?」
「うん。」
「じゃ、行きましょう!」
まるで王子様のような爽やかキラキラオーラ全開の城崎が、俺に手を差し伸べた。
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