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第52話

「これくらいでいいかな…。」 「んっ…!」 城崎の指が俺の中から一本ずつ抜けていく。 最初は違和感しかなかったのに、解されているうちに違和感は快感へと変わり、抜かれる時でさえも感じてしまうほどだった。 俺から指を抜き、シャワーで泡を流してから、城崎は俺と一緒に湯船へ浸かった。 「先輩、可愛い。早く挿れたい。」 後ろから抱きしめられ、背中には主張するように硬くそそり立った城崎のペニスが当たる。 今から、これが俺のケツに……。 「し、城崎…」 「ん?」 「本当に入る…?そ、その…、痔とか……」 「切れるかもしれないですね。もしそうなったらアフターケアもちゃんとするんで心配しないでください。」 城崎は切れ痔がなんだとでも言うかのような口ぶりだ。 恐らく数いたセフレの何人かは切れ痔になったんだろうなと察する。 切れ痔で痛い思いするのは俺なんだけど?? というか、前指3本入れただけで、結構ヒリヒリしたのに。 本当に俺のケツ大丈夫なんだよな…? 「城崎…」 「なんですか?先輩。」 「………怖い。」 「大丈夫ですよ。うんっっと気持ちよくしてあげます。」 「本当…?」 「俺、嘘ついたことありますか?」 城崎が俺に嘘ついたこと……? ないかもしれない。 覚えていないだけかもしれないけど、もしあったとしても嫌な思いはした記憶がない。 信じていい、よな…? でも恐怖ともう一つ、俺を襲う感情。 「城崎は、本当に俺で良いの…?」 「何を今更。」 「俺、多分城崎が思ってる以上に城崎のこと好きになっちゃってるし…、その…、シたら俺……」 今以上に好きになるなんて…。 もう絶対に戻れなくなる。 城崎から離れられなくなる。 「もっと俺のこと好きになってくれますか?」 「うん…、だから……」 「じゃあ先輩の言う通り、俺から離れられなくなるくらいドロドロに甘いセックスしましょうね。俺なしじゃ感じられなくなるくらい。」 俺を襲う未知の不安も、城崎は甘ったるい言葉で消していく。 無性にキスがしたくなって城崎に口付けると、城崎は応えるどころか俺の下手くそなキスを修正するように気持ちいいキスを返してきた。

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