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第59話

店のチョイスは城崎に任せていたため、オシャレなカフェレストランに案内される。 静かで落ち着く雰囲気の、知る人ぞ知るって感じのレストラン。 「会社近くにこんないい感じのとこあったんだ。」 「いいでしょう?たまに来るんです。」 「一人で?」 「はい。」 城崎は日替わりランチを頼み、俺は城崎おすすめのハンバーグドリアを注文する。 運ばれてきたハンバーグドリアに舌鼓(したつづみ)を打ちながら、城崎のランチセットも見つめる。 「そんな羨ましそうに見ないでくださいよ。子どもですか。」 「だって、美味そうだから。」 「はい、あげます。」 「マジ?やったぁ〜!」 城崎はクスクス笑いながら、俺の皿に大きな海老フライを一尾乗せる。 「美味い!」 「それはよかった。」 俺が笑うと城崎も笑う。 なんかこういう日常がすっげぇ幸せ。 そういえば、城崎に伝えようと思ってたことあったんだった。 「なぁ、城崎」 「はい?」 「格好良い、めちゃくちゃ。」 「ぶはっ…、急になんですか?」 「俺も朝素敵って言われて嬉しかったから。」 城崎はげほげほっと()せた。 照れてる城崎は貴重だ。 不意打ちに弱いんだな、城崎は。 「でも女性社員にキャーキャー言われてるのはなんかムカつく。」 「嫉妬ですか?」 「うん。」 「それはどっちに対して?」 「俺の城崎がとられるかもっていう危機感。」 「ふはっ…。俺は先輩だけですって。」 城崎は声を殺しきれずに笑った。 普段あまり笑わない城崎。 こんな可愛い城崎、みんなには見せてやらない。 「俺の前以外で笑っちゃ駄目だからな。」 「はい。……ふふっ」 「何がおかしいんだよ?」 「先輩が可愛くて、つい…。」 日中からイチャイチャしまくりの俺たちのランチタイムはあっという間に終了した。

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