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第91話
これはさすがに病院に連れて行ったほうがいいのでは…?
市販薬も効いてないし、ちゃんと医者に診てもらった方がいい気がする。
「城崎、病院行こう?」
「大丈夫です…。あとで……、医者の友達に来てくれって頼みましたから……」
「…………あっそ。」
「………先輩?」
城崎の言葉に俺はモヤっとした。
俺は来ちゃ駄目と言われたのに、友達は自分から呼びつけたのか?
俺、恋人だよな?
迷惑かけるからってなんだよ。
俺と城崎は対等な関係じゃねぇの?
この熱だって、俺が原因なのに。
「先輩…、どうしたんですか……?」
「別に。」
「別にって顔じゃないでしょ。何で怒ってるんですか?病院行かないから?」
「違う。怒ってねぇし…。」
「先輩。」
そっぽ向いていると、城崎にグイッと腕を引かれてベッドにもたれかかる。
背後から城崎に抱きしめられ、耳にかかる熱い息と城崎の体の熱さに頭がおかしくなりそうだ。
「は、離せよ…。」
「嫌です。怒ってる理由、教えてください。」
「だから怒ってねーって。」
「怒ってるじゃないですか。」
やいのやいの言い合っていると、突然リビングのドアが開いた。
びっくりして俺は口を開けたまま固まる。
城崎と同レベル、いや、それ以上のイケメン。
身長も高いし、脚なっがい。
え、誰。この超絶イケメンは。
「よぉ、夏月。元気そうじゃねぇか。」
「透 さん…。元気じゃないっすよ…。」
「ははっ。ていうか、そいつが例の?俺見て口開けて固まってっけど?(笑)」
「透さんが突然入ってくるからでしょ。」
「いや、見惚れてんじゃね?」
はっ!!
一瞬見惚れてボーッとしてた。
芸能人か何かか?
人生で出会った中で一番イケメンかもしれない。
え、まさか城崎二股かけてたりする?
我が物顔で家に入ってきたし、名前呼びだし、普通こんなイケメン放っとかねぇよな?しかも城崎はゲイだし。
悶々と考えていると、城崎が俺に話しかけた。
「先輩、紹介しますね。この人が友人の医者こと倉科 透 さんです。」
「い、医者?!!」
ハイスペックすぎないか??
当の本人は「どーも。」と言いながら、城崎の診察を始めた。
「喉は?痛む?」
「多少。」
「頭痛は?」
「かなり。」
問診も並行して進めていき、倉科さんは俺の方を向いた。
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