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第104話

同じベッドで朝を迎える。 結局あの後、一回なんかじゃ終わらなかった。 同意の上で、どちらかが枯れるまで抜きまくった。 勿論先に枯れたのは俺。 「だりぃ……。」 「先輩、大丈夫ですか?」 アナルセックスは一回しかしていないものの、何回も抜いて体の怠さが尋常じゃない。 やつれた俺とは対照的にツヤッツヤな城崎。 「若いっていいな……。」 「何言ってるんですか。そんな歳変わらないですよ。」 「20代の6歳の壁は厚いんだよ……。」 本当、こういう時に圧倒的な歳の差を感じてしまう。 疲労も溜まりやすいし、回復は遅い。 筋肉痛は若い頃よりくるのが遅い。 「肌、綺麗だな。」 「お陰様で満たされてるので。」 「俺も調子いいわ、ここ最近。」 城崎の瑞々(みずみず)しい頬を撫でる。 前ホテルでも思ったけど、城崎と付き合ってから肌の調子がいい。 セックスはアンチエイジングにも効果があるのか? じーっと城崎を見つめていたら、城崎は(ついば)むようなキスをしてくる。 「なんだよ?」 「見つめられたら、つい。」 「あっそ。てか、そろそろ準備するぞ。」 「やだ〜。」 大きく伸びをすると、城崎が俺の腰に手を回した。 上目遣いで俺のことを見つめる。 「甘えても駄目。出張だぞ、わかってんのか?11時に約束してるんだから、早く身なり整えるぞ。」 「キスしてくれたら動きます。」 「バーカ。」 「いてっ…」 デコピンすると城崎は俺の腰に回していた手を離して額を押さえた。 しゅん…としょげている悲しげな城崎。 クスクス笑うと、恨めしげに俺を見上げた。 可愛い。 チュッと目尻や額にキスを落とし、最後に唇にキスをする。 「ほら、準備するぞ。」 「はいっ!」 一気に元気を取り戻した城崎は、俺に倣って身だしなみを整え、いつもの仕事モードに変身した。 もう外は暑くなってきているが、営業中はみんなジャケット着用だ。 夏用に通気性の良いライトグレーのジャケットを羽織る。 城崎はサマーウールのダークグレーのジャケットを羽織っていた。 スラッとしていて清潔感あるし何より顔がいい。 少しネクタイがズレてるのが気になって、正面に立って城崎のネクタイを真っ直ぐに直した。 「先輩、お嫁さんみたいですね…♡」 「アホか。」 「はぁ〜。せっかく仕事でも二人きりなのに、今日で終わりなんて悲しいです…。」 部屋を出たら人の目がある。 名残惜しいが仕事は仕事だ。 城崎に抱きしめられ、どちらからともなく唇を合わせた。

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