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第109話
10分くらいトイレに篭 り瞑想する。
最後に深呼吸して息を整え、もう狼狽 えないと心に決めてリビングへ戻ると、城崎はパソコンを開き、あろうことか俺がさっきまで閲覧していたアダルトグッズサイトを開いていた。
「先輩、これ買うの?」
「?!!!」
俺は咄嗟 にノートパソコンを閉じるが、城崎は俺の手を払い除けてまたパソコンを開ける。
「な、ななな、なんで……!!」
「先輩の様子がおかしかったから。俺が来た時パソコン閉じた瞬間っぽかったし、なんかエロいサイトでも調べてたのかなーって。」
城崎は画面をスクロールしながら俺にそう言った。
さっき買うか迷っていた閲覧履歴を見られている。
見ないでくれ。頼むから。
恥ずかしさで今すぐ消えたいくらいだ。
「拡張系多いですね。やっぱりまだ痛いですか?」
「痛……いけど、そうじゃなくて……」
「じゃなくて?」
「……いつも解 すの大変そうだから……その……」
俺の声は今にも消え入りそうなくらい小さい。
城崎の尋問に俺は白状して正直に答えていく。
「こんなの使って無理しなくてもいいですよ。俺、先輩の解すの好きですし。」
「が…、ガバガバは嫌……?」
「嫌っていうか、玩具じゃなくて俺のでガバガバになってほしさはありますね。」
「………じゃあ買わない。」
城崎からマウスを取り上げて、拡張グッズを全部カートから外していく。
城崎にグイッと腕を引かれ、城崎の膝の上に座り込んで、後ろから抱き抱えられるような姿勢になった。
ただでさえこんなの調べているのがバレたドキドキと変な汗ですごいのに、城崎と近すぎる故 に別のドキドキが増えて心臓が過労死しそう。
城崎は俺に手を重ねてマウスを動かした。
「まぁエネマは一人遊び用ってことで買ってもいいですけど、傷ついたら嫌なので細いのにしときましょう。」
「い、いらない…っ」
「欲しかったんじゃないんですか?」
俺はぶんぶん横に首を振った。
城崎にはしたない奴だと思われたくない。
でも城崎はエネマグラをカートに入れたまま、別の商品を見始めた。
「城崎、いらないってば!」
「一回試せば玩具なんかじゃ満足できないって分かるでしょ。何事も経験。ですよね、先輩?」
「うっ……」
俺が城崎に言ったことだから反論できずに口籠る。
こいつ本当口上手いというか、変なとこで性格悪いな。
「あ、これこれ。先輩、どれがいいですか?」
「な、なに…?」
俯いていると城崎に質問され、画面を見て言葉を失った。
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