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第119話
城崎の首に腕を回してキスに応える。
テレビの音がノイズに聴こえるくらい、俺は城崎の息遣いと唾が絡み合う音に夢中になった。
タオルがはらりと床に落ち、俺の下半身が露わになる。
城崎の右手が腸骨を擽 って身じろぎすると、城崎は俺を床にゆっくりと押し倒した。
「先輩、今日積極的すぎ…。」
「ダメ?」
「全然。寧 ろウェルカムです。」
興奮した城崎の顔。
今日はなんかずっと浮ついている。
城崎が愛してくれるから。
俺だって男だけど、たまにはめちゃくちゃ甘えたくなる時だってある。
今日はなんかそんな気分。
「城崎、好き。」
「そんな可愛いとまたシたくなっちゃいます…。」
「いいよ。」
「俺が駄目。枯れちゃいますよ?」
「ムズムズすんだけど。」
「指でしてあげますから。」
挿れて欲しかったけど、さすがに今日はもう疲れたらしい。
代わりにローションをたっぷり纏った城崎の指が挿入 ってきた。
ゆっくり解すように中を進み、俺のイイ所を探す。
「あっ…」
コリっと前立腺に当たった時に思わず声が出てしまい、城崎はそこを指の腹でコリコリと擦った。
「あっ…あっあっ……♡」
「気持ちいい?腰、揺れてる…。」
「んっ…、気持ちぃ…」
「先輩、ちゅー」
「ちゅぅ…、城崎っ…?」
俺が唇を合わせようとすると、城崎の唇が逃げる。
まるで俺を揶揄 っているようだ。
俺はいじけたフリをして顔を背けると、城崎はクスクス笑って俺のこめかみや首筋にキスを落としていった。
「城崎、出したい…っ」
「今日あんまり出してないですもんね。」
「ふっ……、ぅんっ……」
シュッシュっと城崎の手が俺の竿を滑った。
程なくして射精感に襲われた俺は、キスをしながら城崎の手の中でイッた。
城崎の掌にドロっと生温かい精液が出され、城崎はわざとらしく音を立てて遊ぶ。
そしてあろうことか、エロい顔で掌の白濁を舐めた。
「濃いですね…」
「ばっ?!!舐めんな、馬鹿!!!」
「先輩のですもん。」
絶対不味いのに。
恋人に精液舐められるなんて経験したことなくて、俺は恥ずかしくて茹 で蛸 のように真っ赤になった。
「不味いだろ…。」
「まぁ不思議な味はしますね。」
「今までも飲んだことあんの?」
「まさか。先輩のじゃないと無理。」
嫌そうな顔でそう言った城崎を見て、俺は少し安堵した。
過去は過去。
仕方ないとはいえ、今は大好きな恋人だ。
嘘でもそう言ってくれたことが嬉しかった。
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