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第122話
「先輩、それ、何ですか?」
「っ!?!!」
隠すものがなくなった俺の前面。
勿論城崎が見逃すはずもなかった。
城崎は一見 笑ってるように見えるけど、俺には分かる。
これは笑ってない…。
「あ…はは……。えっと……」
「先輩、こっち来て。」
「ちょ?!」
言い訳を考えていると、答える間も無く城崎に連行される。
行き先は不明だけど、部署からはどんどん遠のいていく。
「もう昼休み終わるけど?!」
「柳津さんが何とかしてくれるでしょ。」
部署に戻っていく人の流れとは逆方向に進む俺と城崎。
すれ違う人々が何事かと振り返る。
そりゃそうだ。もう昼休みが終わるんだから。
高校生でもあるまいし、白昼堂々サボる奴なんて普通いない。
辿り着いたのは人の出入りが少ない地下の隅にあるトイレ。
無人の男子トイレの個室に放り込まれ、後ろ手に鍵を閉められた。
「城崎っ!ちょっと…!ここ職場だぞ?!」
「それとこれとは話が別でしょ。」
「別じゃねえ!プライベートと仕事は分けろって!」
必死に言い聞かせるが、城崎は聞く耳を持たない。
壁に追い詰められて、俺は顔を逸らした。
俺は謝らない。
だって、さすがにやりすぎだ。
「じゃあ先輩は恋人が裸で出勤してても職場だからって見過ごすんですか?」
「はぁ?裸じゃねーだろ。過剰すぎるんだよ!!」
意味のわからない例えをする城崎に怒鳴る。
男が乳首に絆創膏貼ってたところで誰が興奮するだろうか。
ゲイくらいだろ。
それに俺が知ってる中じゃ、職場にゲイなんて城崎くらいだ。
というか、興奮じゃなくて笑い物にはされると思うけど。
「過剰じゃないですよっ!!」
城崎はドンっと俺の顔の隣ギリギリを殴った。
ビックリして城崎を見たら、すげぇ真剣な顔で怒ってて俺は思わず口籠もる。
「先輩、本当に自覚してください…。」
「………」
「エロいんです、先輩は。」
「………」
「なのにこんな…。乳首に絆創膏なんて…。なんで…!」
「ちょ…、城崎…っ」
城崎は俺のシャツのボタンを外し、ベリっと絆創膏を剥がした。
剥がされた刺激で俺は身震いする。
城崎は俺の乳首を見て、わなわなと震えていた。
絆創膏が外された俺の乳首は、ぷっくりと桃色に熟 れていた。
「なんで………?」
城崎は悲しそうな表情で俺の乳首を喰 む。
それだけで俺にとっては快感で、怒ってたはずなのに素直な俺の身体はビクビクと震えた。
「なんで立ってるんですか……?」
城崎に一番聞かれたくないことを聞かれて固まった。
「いや…、それは………」
「聞こえない。教えて、先輩。」
言えねぇよ。
城崎が置いて帰った玩具でチクニーしてたなんて……。
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