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第125話
数分か、はたまた数十分か、俺たちは夢中でお互いの唇を貪り合っていた。
職場だからセックスできない分、代わりにいっぱいキスをした。
リップ音を立てながら名残惜しく城崎の唇が離れる。
力が入らなくて城崎に身を預けると、俺の身体が崩れないように支えてくれた。
「先輩、ごめんなさい。大好きです。」
「うん。俺も悪かった。ごめん…。」
「でもね、俺先輩が何したって先輩のこと大好きですから。それだけは覚えててください。泣いてる先輩も可愛かったけど、俺の気持ちが離れただなんて思ってほしくないです。」
「悪い…。」
「もしも先輩が殺人を犯しても、ドラッグに手を染めても俺は愛し抜きますよ。」
「それはダメだろ(笑)」
城崎の俺への愛を舐めていた。
でも仕方ない。
今までこんな重く愛されたことだってない。
ましてや自分に自信があるわけでもない。
だから不安にだってなるものだ。
「本当は俺が先輩の乳首開発したかったんですけどね…。」
「??」
残念そうに言った城崎の言葉に俺は疑問を生じた。
「城崎が開発したんじゃん。」
「え?」
「城崎が俺の乳首感じるようにしたから、俺こんな馬鹿みたいに乳首弄っちゃったんじゃん。開発したのは城崎だろうが。」
城崎はポカン…としていたが、俺の言葉が腑に落ちたのか嬉しそうな表情で俺を支える手に力を込める。
「そっか。俺が先輩の乳首を開発しちゃったんですね。」
「どう考えてもそうだろ…。」
「それで先輩、一人でチクニーしちゃったんだ?」
「?!!」
「じゃないとそんなに腫れないですもんね。あー、可愛い。チクニーしてる先輩想像して一回抜いてきていいですか?」
「はぁ?!ば、馬鹿!!変態!!」
「一人で乳首弄ってる先輩も、人のこと言えませんよね?」
「〜〜〜っっ!!」
恥ずかしすぎて城崎の頭をパシッと叩くが、城崎はにこにこヘラヘラして俺のことを抱きしめていた。
イチャイチャしていたが腕時計を見てハッとする。
昼休憩が終わるのは13時。
現在の時刻は14時半……。
「やっべぇ……。」
「あはは。さすがに説教コースですね。」
「俺人生でサボりなんて初めてなんだけど…。」
「じゃあ学生時代サボり常連の俺が助けてあげますね。」
「そこはドヤ顔するところじゃねぇんだよ……。」
いっそのこと体調不良で早退とかの方がマシなのでは?
そんなこと思ったが、城崎と俺、二人とも早退っておかしいだろ。
それを言ったら多分城崎は自分が怒られるから俺は早退しろと、そう言うんだろうな。
今日のあれこれの発端は俺だし、城崎の評価を下げたいわけじゃない。
だから観念して部長に謝ることを決意した。
怒られることに慣れていない俺は、キリキリ痛む胃を押さえながら城崎と共に部署へと戻った。
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