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第130話

疲れ切った俺はそのまま眠りにつこうとしたが、城崎が起きたから俺も身体を起こした。 「先輩?寝てていいですよ?」 「寝ないの…?」 「先輩の部屋だし換気とかちゃんとしとかなくちゃ。あと体も拭かないとですね。」 「いつもありがとな。」 「こんなの全然ですよ。先輩の方が疲れてるでしょ。受け入れてくれてるの体力使うって知ってます。無茶ばかりさせてごめんなさい。」 城崎はソファまで俺を運んで布団を被せる。 いつも俺は寝てしまうが、城崎は毎回こうしてきちんと後処理をしてくれている。 セックスした翌日はシーツもゴミ箱も、もちろん体も綺麗で、まるでセックスしたのが嘘かのように整えられている。 「無茶なんかじゃねぇよ…。」 「お気持ちだけで充分嬉しいですから。先輩は寝ててください。」 お言葉に甘えてシーツを交換してくれるのをソファで待った。 しばらくして城崎が寝室から出てきて、俺が起きてることに気づいた。 「先輩、寝ててって言ったのに。」 「起きれる時は起きとかなきゃ、ただでさえお前に全部やらせるの申し訳ねぇのに。」 「優しいですね。あ、そうだ、先輩。体拭くので待っててくださいね。」 洗面所に向かう城崎を後ろから抱きしめて阻止する。 城崎は困惑した表情で俺のことを振り返っているけど気にしない。 「風呂入らねぇ…?」 「でもお湯が」 「お前がシーツ変えてくれてる間に溜めといたから。な?風呂のほうが楽だしスッキリするだろ…。」 城崎の負担を減らしたいのは本当。 でも半分は城崎ともっと肌を寄せ合いたいから。 「駄目……?」 「ッッ!!駄目なわけないでしょ…。」 「あ、大っきくなった…。」 「なりますよ、そりゃ!」 セックス後でお互い裸だから、勿論あそこもオープン。 男って興奮してると目に見えてわかるから恥ずかしい。 「城崎、まさかえっちなこと考えてんの〜?」 「あーーもうっ!そうですよ!!だって一緒に風呂なんかエロいことするためでしょ!?」 「ふはっ…!」 イジると半ギレで本音を言う城崎。 可愛くてつい吹き出してしまった。 まぁでもこれは、俺次第でOKってこと? 「入ろーよ?」 「先輩はえっちですね。」 「うん。そうかもな。」 「俺が何しても知りませんよ。」 「いいよ。」 城崎を納得させ、風呂場に向かう。 湯船からお湯を(すく)って体にかけると、それだけで疲れた身体が癒された気がした。

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