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第136話

流しそうめんを楽しみ終え、みんなそれぞれに好きなことをする。 屋根のある場所で座って語り合う人たちもいれば、まだそうめんを食べてる人、コンビニに買い出しに行く人。 あとは俺たちみたいに川で遊んでる人。 「これでも()らえっ!」 「うわぁっ?!弥彦くん、冷たいっ!」 「覚悟しろ!怪人綾人〜!」 「俺怪人なの?!てか、それ(ずる)い!!」 弥彦くんは持ってきてた水鉄砲で俺を撃つ。 おかげで服がビッシャビシャ。 弥彦くんは水着だから気にせずにジャブジャブ水をかき分けて、ずぶ濡れの体で俺にハグした。 「弥彦!望月くんがベチャベチャじゃない!!」 「だって〜。」 「だってじゃない!!ごめんね、望月くん…」 「いいですよ。すぐ乾きますって。」 濡れて気持ち悪いけど、可愛い弥彦くんにハグされるのは悪くない。 俺たちを見て鈴香ちゃんも俺の片足に抱きついた。 「??鈴香ちゃん、どうしたの?」 「綾人は鈴香の!」 「へぁ?!」 鈴香ちゃん天使すぎない?! 超可愛い! 弥彦くんに嫉妬してくれてるの?!可愛い!! 「はぁ?俺のだし!!鈴香は向こういけ!!」 「ヒッ……うわぁ〜〜ん!!」 「こら!!弥彦!!!」 弥彦くんが鈴香ちゃんを押して、鈴香ちゃんが浅瀬で尻餅をついた。 泣きじゃくる鈴香ちゃんを見て、久米さんが弥彦くんを叱った。 俺は鈴香ちゃんを抱き上げて涙を拭いた。 「うわぁ〜〜ん!綾人〜〜!」 「痛かったねぇ。ほらほら、痛いの痛いの飛んでいけ〜」 「ヒグッ……、うっ……、飛んでった……」 鈴香ちゃんは赤くなった目を擦って涙を(こら)えた。 いい子すぎる…。 「鈴香ちゃんは強いねぇ。えらいえらい。」 「綾人が痛いの飛ばしてくれたから!」 「わ〜〜!天使!!」 鈴香ちゃんを抱っこして頭を撫でていると、反省したであろう弥彦くんがこっちに来て鈴香ちゃんに謝った。 仲直りした二人はまた川に遊びに飛び出していく。 二人が離れた隙を見て、城崎が後ろから俺にバスタオルをかけてくれた。 「風邪引きますよ。」 「大丈夫。ありがとな。」 「どういたしまして。」 「何?嫉妬してんの?」 「かなり。」 口数の少ない城崎の様子見たらすぐに分かった。 本当可愛い、こいつ。 「綾人〜!」 「ん?」 城崎の顔見つめてたら、鈴香ちゃんが川の方からこちらへ走ってきた。

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