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第138話
「こらこら、ここ外だぞ。」
「先輩が悪い…っ!」
ぎゅうぎゅう俺を抱きしめる城崎。
トイレの近くだから人気 ないけどさ。
と思ったら、男子トイレから涼真が出てきた。
「あ…。お邪魔だった?」
「涼真、こいつ離れてくんねー。」
「離したら俺が被害に遭 わない??」
「保証はできん。」
涼真は「じゃあ嫌」とか言いながらも、周りの目を気にして城崎を離してくれた。
城崎は涼真のこと、すっげぇ目つきで睨んでる。
「なんで邪魔するんですか?」
「なんでって……、外だから?」
「やっぱ柳津さん嫌いです。」
「えぇっ?!」
後輩に嫌われるのは結構傷つくもので、嘘か本当は知らないが城崎の言葉に涼真はショックを受けていた。
用を足して川辺へ戻ると、コンビニに買い出しに行ってた組が帰ってきてて、みんなでアイスを食べている最中だった。
「綾人にも残しといてやったぞ!」
「鈴香と半分しよ〜!」
弥彦くんと鈴香ちゃんからそれぞれアイスをプレゼントされ、お言葉に甘えて両方もらった。
城崎は部長直々 にお高いアイスをプレゼントされていた。
まだ初夏だが、夏に食べるアイスはとても美味かった。
15時頃、ぼちぼちお開きにしようとみんな片付けを始めた。
辺鄙 な場所にあるから、俺と涼真、あと城崎とかはタクシーで来たけど、自家用車を持ってる人はみんな車で来ていた。
帰りは車で来た人に乗せて帰ってもらえることになって、メンバー分けをくじでする。
「絶対先輩と同じ車……。」
城崎はぶつぶつ祈りながら割り箸を引いた。
割り箸の先端に塗られている色で車が分けられた。
「俺ちゅんちゅんのだ。」
「あ!俺もです!俺も!!」
「いや、おまえ………、まぁいいや。」
城崎が俺の色確認してから別の奴に頼んで割り箸交換してんの見えたけど、知らないふりをした。
弥彦くんと鈴香ちゃんはくじはせず久米さんの車のため、最後は泣いて俺との別れを惜しんでくれた。
「また来年会おうな。」
「来年まで会えないの…?」
「うーん。そうだな、家族同伴なの納涼会くらいだしな。」
困った顔をすると、弥彦くんが鈴香ちゃんの首根っこを掴んで車へ連行する。
「綾人!じゃあな!!」
「うん、二人ともバイバイ。」
「バイバイ!綾人〜バイバイ〜!」
久米さんの車は一番最初に出発した。
後ろの方からちゅんちゅんの声がして振り返る。
ちゅんちゅんの車に乗るメンバーは俺と城崎、それに涼真とちゅんちゅんの4人だ。
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