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第152話

相変わらず店内はお洒落だ。 麗子ママは俺たちの顔を見るなりカウンターからこっちへ寄ってきた。 「久々ね!いらっしゃい!」 「久しぶり、麗子ママ。」 「あらぁ?夏くんなんかお肌ツヤツヤだし、幸せそうな顔してるし、もしかして?♡」 「ご名答、その通りです。」 麗子ママは「まぁまぁ♡」と嬉しそうに席へ案内してくれた。 店内端っこにあるボックス席。 城崎はメニューを見ながら、麗子ママに注文をしていく。 「お酒は何にします?」 「えっと…、城崎に任せる。」 「じゃあ俺と同じので。あとは…」 突然聞かれて適当な返事をしてしまったけど、城崎は他にもいくつか注文してメニュー表を閉じた。 麗子ママがカウンターの方へ戻っていって、俺たちは二人きりになる。 城崎に真っ直ぐ見つめられて恥ずかしくて俯くと、脚を絡められた。 「ちょっと…!」 「だって、先輩がこっち見てくんないんだもん。」 「み、見るから…。」 視線を上げると城崎が愛おしそうに俺を見つめていた。 あー、もう。 本当慣れない。 俺がモジモジしていると、麗子ママが料理を持ってきて、何故か席についた。 「お話聞かせて♡」 「仕事してきて。」 「やだ♡休憩もらってきちゃった♡」 「はぁ…。」 城崎はため息をついて、お酒を飲みながら前菜をつまみ始めた。 俺もそれに(なら)ってお酒を飲む。 「うま。」 「でしょ〜?じゃ、なーくーてっ!夏くんとどうなってどうなったのよ〜?♡望月ちゃんだっけ?下の名前は??」 「綾人です。」 「綾ちゃん!♡可愛い名前〜♡♡」 「ちょっと。麗子ママ。」 俺に絡む麗子ママを城崎が制する。 あんまり詮索(せんさく)されたくないのか嫌そうな顔をしている。 麗子ママは城崎の顔色なんて一切気にせず、身を乗り出して興味津々に俺に話しかける。 「初めて来てくれた日、綾ちゃんポートワイン飲んだでしょ〜?そのあとすっごい剣幕で夏くんが綾ちゃんのこと連れてっちゃったから、どうなったのか気になってたのよ〜♡あのあと付き合ったの?」 「あの日じゃないよ。」 「やだぁ〜、そうなの?でもあの表情じゃ、抑えきれなかったんでしょ?ね、綾ちゃん♡」 「はは…。まぁ……」 あの日か…。 あの日は初めて乳首が()った日だっけ。 城崎がめちゃくちゃしつこく弄って……。 「綾ちゃん、顔真っ赤よ?まさかいけない妄想しちゃった?♡」 「し、してないです!!」 思い出すだけで何だか体がムズムズしてしまった。

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