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第164話

「うっ……ヒグッ……うっ、うっ……」 「泣かないで、先輩。」 あの後(また)開かれて隅々まで綺麗になった俺のデリケートゾーン。 音声で城崎がおねだりしていた通り、生まれたてのようにツルツルにされた。 恐る恐る下に手を伸ばすと、本当にそこにあったはずの毛がなかった。 「ない………。」 「綺麗に剃りましたからね。」 毛を洗い流すために浴室へ連れて行かれ、嫌でも目に入る鏡と俺のツルツルの股間。 視覚的にも触覚的にもその事実を目の当たりにし、俺はその場で崩れ落ちた。 全てのプライドをへし折られた気分だ。 シャワーで綺麗に流され、城崎の部屋着を着せられて部屋に戻る。 「…ヒッ………ウッ……グズッ……」 「先輩、めちゃくちゃ可愛い。」 「可愛くねぇ。」 「パイパン、良いですね♡」 「…良くない……、触んなぁ……。」 「だってずっと撫でてたいんですもん。」 ズボンに手を入れ、ツルツルになった俺の股間を永遠と撫で続ける城崎。 もう誰が何と言おうとこいつは変態だ。間違いない。 誰が男のパイパン見て喜ぶんだよ…。 ここに喜んでる奴いるけどさぁ……。 「もうお婿(むこ)に行けない……。」 「先輩は俺のお嫁さんになりますから、問題ないですね。」 「もう温泉入れない……。」 「大衆浴場なんて行かせる気ありませんよ?温泉旅行は家族風呂とか部屋についてるとことか色々ありますから。大丈夫です。」 何を言おうと全て論破されてしまう。 というか、今更何言ったところで失った俺の毛は戻ってこない。 悪足掻きは無駄でしかないのだ。 泣き続ける俺に、城崎は股間を撫でながらフォローを入れる。 「最近はパイパン男性増えてるらしいですよ?」 「嘘だ。」 「本当本当。欧米では普通みたいですし。衛生的にもいいじゃないですか。」 城崎がいう言葉、全部(なだ)めるための嘘に聞こえてしまう。 詐欺師だ、詐欺師。 こいつの前世、絶対詐欺師!! 「先輩、泣き止んで?誕生日なのに、先輩が泣いてたら俺悲しいです。」 「誰のせいで……」 悪態(あくたい)をつきそうになったが、城崎を責めたいわけでも、ましてや傷付けたいわけでもないのでグッと堪える。 「こんなことしたんだから責任取れよ…。」 「ん〜?」 「もうこんなのお前以外もらってくれないから。絶対別れてやらないからな…。」 「ふふっ(笑)一生大切にしますね。」 城崎は俺を抱きしめて首や頬にたくさんキスをする。 俺はそれを甘んじて受け入れた。

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