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第167話
さっきまで興奮してた城崎のソレも、俺があまりにも咳き込むから心配で萎えていた。
予定と違う…。
「先輩が名前で呼んでくれたから…。しかもフェラなんか…もう…夢みたいで……、ごめんなさい。」
「気持ちよかった?」
「めちゃくちゃ気持ちよかったです。イラマなんてしてごめんなさい。」
「ん。いいよ。」
城崎はシュン…と後悔した表情だったから、どう声をかけるか悩む。
気持ちよくなって欲しくてした初めてのフェラを、マイナスな思い出にしてほしくなかった。
「どうだった?素直な感想知りたい。」
「うっ……。先輩の泣き顔めちゃくちゃそそったし、ぐちゃぐちゃな先輩見て興奮しました…。」
「うん。他には?」
「視覚的にも聴覚的にも感覚的にもヤバかったです…。鼻血出そうなくらい…。」
「じゃあ、やった甲斐 があるな?」
「めちゃくちゃありますっ…!」
よかった。少しは表情晴れたみたいだ。
ヨシヨシ撫でると、城崎は上目遣いに俺を見た。
「またしてくれますか…?」
「いいよ。」
城崎は泣きそうな顔で俺を抱きしめる。
「今更だけどさ」
「はい。」
「今日は夏月って呼んでいい?」
「……っ、勿論です!」
「夏月も、今日は下の名前で呼んで?」
「綾人さん…」
「ん。」
か、可愛い……。
従順な城崎、めちゃくちゃ可愛い。
たまに出てくるこのふわふわの耳と尻尾は何なんだよ。
「夏月、今日は全部わがまま聞いてやる。」
「えっ…」
「やりたい体位とか、ある?」
「あ、ある…!あります!」
城崎は食い気味に手を挙げた。
「何?」と尋ねると、城崎は小声で俺に耳打ちする。
それを聞いて俺は一度自分の下に視線を向ける。
「マジ?」
「綾人さんの、もっと近くでじっくり見たい。」
「やだよ。」
「さっき、わがまま聞いてくれるって…。」
「わかった!わかったから…!」
俺はどうも城崎のわんこモードに弱い。
あんな見るからに尻尾垂らされたら許さざるを得ないじゃないか。
というか、まぁ俺が何でも聞くと言った手前断る選択肢なんてないに等しいけど。
城崎は裸になってベッドに寝転んだ。
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