「綾人さん、大好きっ…！」 「喜んでくれたならよかった。似合ってる。」 「すごく俺好みのデザインです。綾人さんも似合いそうですね。」 城崎の言葉に俺はぴたりと動きを止めた。 窺(うかが)うように城崎を見つめる。 「俺、似合うかな…？」 「はい。似合うと思いますよ？」 「夏月って…、その……、お揃いとか、嫌？」 「まぁ今まで買ったことはないですけど、綾人さんとはお揃いしたいなぁって思ってます。」 「本当？」 「本当。記念日でもないのに綾人さんとお揃いの買おうかなーって、シルバーアクセ見ながら悩んだりしてますよ。」 城崎がそう言うので、俺は思い切ってもう一個箱を出す。 そして自分の左腕につけた。 「え、綾人さん、まさかお揃い？ペアウォッチ？？」 「嫌か…？」 「超嬉しい！！綾人さん、本当っ？わー、一緒だ！おそろい！」 城崎は俺の腕と自分の腕を並べて、子どもみたいにキャッキャとはしゃぐ。 ペアウォッチにするか散々迷った末に買わないという決断をしたはずの俺は、結局翌日百貨店に寄って同じ時計を購入した。 嫌って言われたらフリマアプリとかに出品するつもりで。 城崎喜んでくれてよかった。マジでよかった。 「でも綾人さん、時計なんて高いんじゃないですか？」 「気にすんな。」 「俺、綾人さんの負担になってない？」 「なってない。」 「………好きっ！」 「うわぁっ？！///」 城崎は動かないと約束したのに、いきなり奥をズンっと揺さぶった。 思わず城崎に抱きつくと、城崎は俺を見てニヤニヤ笑う。 城崎が出て行こうとするたび、城崎の形に馴染んだ俺の中は離すまいと蠢(うごめ)いた。 ギリギリまで抜いて、またパチュンッと滑るように根本まで中へ収まる。 長めのストロークに、俺は喉を反らして快感を逃そうと必死だ。 「も……っ、しないってぇ…」 「だって、綾人さんが可愛いから。」 「ひっぁ…！む、無理ぃ…」 「俺、毎日付けますね、時計。」 「わかったぁ…！わかったからぁ……」 俺はもう疲れたと城崎の肩を叩いて伝える。 ドライだから何度もイッて、いやむしろイキすぎてしんどい。 「でも困ったな。綾人さんが離してくんないんだもん。」 「だ、だって…！」 「綾人さん、力抜いて？」 俺は城崎の腰に両足を絡め、引き寄せていた。 無意識だ。 どこにどう力をかけたらこの大きすぎる快感を逃せるのか分からなくて、城崎に抱きつくことしかできなかった。 「抜いてくれなきゃ、離せないよ？」 「は、離せなんて言ってない…。動くなっつってんの。」 「えぇ〜。難しい要求…。」 「さっきできてたじゃん…。」 「再燃しちゃったんだもん。」 なにが「しちゃったんだもん」だ？！ かわいこぶるんじゃねぇ！この絶倫男！！ 俺は内心そう叫びながら、また城崎の餌食になった。