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第187話

焼きとうもろこしを2個、ラムネを2本注文し、待っている間にスマホを確認する。 どうやら城崎は場所取りできたらしい。 今から向かうと返事を入れ、焼きとうもろこしとラムネを受け取ってビーチの方へ向かった。 左腕には変わらず金髪ギャル。 後ろには何もして来ず、何も話しかけて来ない黒髪の女の子が付いてくる。 お願いだからこの金髪ギャルを止めてくれと切に願う。 「お兄さん、何歳〜?」 「もうすぐ30。」 「えー!見えなーい!」 「ね、君たちからしたらおっさんなんだから、早く若い男の子のとこ行きな?」 「私歳上好きっ♡」 「あー、もう……」 年齢言えば引くと思った俺が間違っていた。 これってもしかして親父狩りだったりする? 怖い怖い。助けて、城崎。 でもこの状況、城崎に見られる方が怖い。 というか、単純に勘違いされるのが嫌なんだけど。 俺だって、城崎が女の子に迫られてたらいい気はしないし…。 「先輩……」 「っ…、城崎……!」 迎えにきたらしい城崎。 俺を軽蔑したような冷たい目で睨んでいる。 城崎は後ろにめちゃくちゃ女の子を引き連れているが、誰一人隣を歩かせてはいなかった。 断ったのに女の子たちが勝手についてきたんだろう。 一方左腕に胸を押し当てられている俺。 「ち、違うんだよ、城崎……。」 「わぁ!お兄さんのツレめちゃくちゃイケメンじゃーん!てか、やっぱり男じゃん!水着お揃いだし!超いい!2対2だね!」 金髪ギャルは俺の手から離れ、城崎に飛びついた。 そりゃ目の前に若くてもっとかっこいい男がいたら、そっちに飛びつくだろうな。 でも俺は女の子が離れたことなんか全くこたえない。 そんなことより、城崎が金髪ギャルを拒否しなかったことが俺の精神をグリッと抉った。 「お兄さん、いくつ?」 「あっちは何歳って言ってました?」 「もうすぐ30って言ってた!」 「ふーん。俺は24。」 「きゃー!若ーい♡」 城崎が金髪ギャルに年齢を教えると、後ろの女の子たちがざわついた。 教えてもらえなかったのか? てか、じゃあ何でその子には教えた?! 「お兄さん、名前は?」 「あのお兄さんの名前は教えてもらった?」 「んーん。」 「じゃあ秘密。」 「えー?」 その後も城崎は年齢以外何も公開しなかった。 俺と同じ情報開示まで。 城崎……、もしかして………。 「お兄さん、触っていいよ?♡」 「興味ない。」 「えー?嘘だぁ。もしかしてムッツリなの?」 「仕返ししてるだけ。」 「どーゆぅこと?」 やっぱり…。 俺が女の子に許したことだけ、城崎も許して俺に同じ気持ちをさせているらしかった。

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