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第219話

ドォン、ドォン…と大量の花火が打ち上がる。 その最中(さなか)、俺は城崎に組み敷かれ、あらゆる場所に吸い付かれていた。 「駄目ぇ…、城崎…、そこ…ぁ…」 「可愛い。先輩、もっと俺を誘惑して?」 「ぅぁっ…!し、城崎…っ、恥ずかしぃ……っ」 「俺に恥ずかしいとこ、いっぱい見せてください。」 ズボンを下ろされ、太腿に吸い付かれると、快感で身体が震えた。 喘ぎ声は花火の音にかき消され、きっと城崎以外には届いていない。 「先輩、立って?」 「わ…っ!」 「背中にも付けたい。ちょっとの間、向こう向いてて?」 俺は城崎に言われるままに背を向ける。 「綺麗な背中……」 「く、くすぐったい……!」 城崎にするすると撫でられて、肩甲骨や腰あたりの感じやすいところに吸い付かれ、思わず身体が跳ねる。 下着をずらされ、お尻に吸い付かれている時、視界の奥の方にカップルの姿が見えた。 「し、城崎っ…!」 「ん?何ですか?」 「ひぁっ…!や、やめろって…!人居るっ!」 「あぁ。向こうの方、普通の道ですからね。花火のフィナーレ見るために上に向かってるんじゃないですか?」 「ぁっ、や、やめろってぇ…。見られるかもしんねぇじゃん…っ!」 「見られてるかも…って思う方が、先輩興奮するでしょ?」 「あぁっ!!」 一際強く吸い付かれて、大きな声が出た。 本当に性格悪い。 マジでバレたらどうするつもりなんだよ。 俺は万が一目の前に人が現れた時に備え、脱がされた甚兵衛をもう一度羽織る。 すると、城崎はそんな俺を見てニヤニヤ笑った。 「な…、なんだよ……?」 「先輩、着衣セックスの方が好きなんですか?」 「は、はぁっ?!!」 「でも先輩、下は邪魔です、さすがに。」 「うわっ?!」 下着ごと下ろされ、俺の下半身は丸裸になった。 こんなの、もし見つかったら俺だけ捕まっちゃうじゃん。 「な、なぁ、城崎…」 「先輩、今日はゴム付ける?」 「なぁってば…」 「帰らなきゃいけないし今日は付けた方がいいですよね。」 「城崎ってば……、ひぁっ?!」 城崎は俺の言葉を総スルーし、ローションで滑りを良くした指を俺のケツに突っ込んだ。 「や、やだっ!城崎、こんなとこでやだよ!」 「でも先輩、興奮してこんなに硬くしちゃってますよ?」 「そんなの不可抗力じゃん…!」 「俺、青姦なんて初めてです。興奮しますね、すごく。」 花火に照らされる城崎の顔は、すげぇえっちでめちゃくちゃ格好良いと思った。

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