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第220話

花火大会も大詰めを迎え、真っ暗な夜空に大量の華が咲き乱れる。 花火大会と同じく、俺たちもフィナーレに向かってヒートアップしていた。 「あっ、あっぁっ…!城崎っ、城崎っ!!」 「深…っ、先輩、気持ちぃ?」 「あっ!気持ちい!あ、あっ、あっあっ!!」 対面立位……の中でも上級者向けと言われる駅弁。 城崎は俺を抱えてピストンし、気持ちいいところを的確に突いてくる。 落ちないようにぎゅっと密着すると、城崎はそんな俺に応えようとピストンを早くする。 「は…ぁっ、……先輩、汗と精液でぐっちょぐちょですね。」 「ぁ…やめ…っ、もっとゆっくり…っ…」 「先輩の汗の匂いとか、ザーメンの匂いとか、すっげぇ興奮します…」 首筋を舐められてゾクゾクと快感が走った。 「うぁっ…!い、イクっ!!城崎…っ」 「先輩、俺も…っ」 ドォンっと一際大きい花火が空に打ち上がった。 「〜〜〜ッ♡♡♡」 大花火と同時に俺はイッて、中が城崎のモノを締め付けると、城崎もゴム越しに中で弾けたのがわかった。 ゆっくりと地面に降ろされ、城崎のモノが中から抜ける。 「気持ちよかったですか?」 「………ん。」 城崎はハンカチで汗や俺に飛び散った精液を拭う。 恥ずかしくて体を寄せると、クスクス笑われた。 「先輩、いつもより興奮してましたよね。」 「……そんなことねーもん。」 青姦で興奮してるなんてバレるのが嫌すぎて、俺は否定する。 てか、青姦とか駅弁とか、初めてを詰め込みすぎだろ。 俺はただでさえ城崎の浴衣姿に欲情してんのに…。 「先輩の声、他の誰かに聞こえたらどうしようってヒヤヒヤしました。」 「は、はぁっ?!」 「先輩、途中からすげぇ大きい声で喘いでるから。可愛い反面…、ねぇ?」 「馬鹿!!本当馬鹿!!」 「ちょ、痛い!先輩、叩かないで!」 「もう外出れねぇじゃん!」 「誰にも見られてませんってば。俺がちゃーんと目を光らせて確認してましたから、ね?」 ポカポカ殴る俺の手を止めて、城崎は俺の髪や目尻や唇、至る所にキスをする。 もう絶対外でしない。 こんな恥ずかしいこと、二度とできるかよ。 「そんなんで許すと思ってんのか?」 「え?許してくれないんですか?」 「………………」 「じゃあどうしたら許してくれます?」 「……………今日うち泊まって。」 「またご褒美じゃないですか(笑)」 城崎は俺にズボンを履かせながら嬉しそうに笑った。 だって前みたいに帰られたら…とか思うと、寂しいし。 今日は隣で寝たいし…。 ていうか……。 「痒い!!」 「え?」 「城崎のせいで全身蚊に刺された!」 「先輩は血液も美味しいんですね。俺も今度頂こうかな…?」 「こえーよ!!!」 こんな真夏の林の中に蚊がいないわけなくて、しかも浴衣の城崎はともかく、ひん剥かれてた俺は刺され放題だった。 蚊に刺されるわ、キスマークだらけだわで電車に乗れるわけもなく、俺と城崎は長距離覚悟でタクシーを使って家に帰ったのだった。

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