232 / 1069
第232話
「なんで?!」
「何が?」
城崎、青の洞窟着いた瞬間、俺のこと抱きしめたじゃん!
しかも青の洞窟出た後も、撮れなかった風に話してたじゃん!?
城崎を睨むと、ニヤニヤ笑っていた。
「城崎〜!!」
「俺撮ってないなんて一言も言ってないですよ。それに勝負は勝負。俺の勝ちですよね、柳津さん?」
「ん〜、そうだな。俺はこれが一番好き。というか、これ勝負だったのか?」
「はい♪あ、柳津さん、帰っていいですよ。片付けは俺がしておくので。」
「え?!ちょ…っ!急すぎない?!余韻もクソもねーじゃん!おい!」
城崎は半 ば強制的に涼真を追い出し、二人になった瞬間に俺を抱きしめた。
城崎の匂いがふわっと香り、何だか安心して緊張が解ける。
顔を上げると、城崎の唇が近づいた。
「ん…、んっ……」
「可愛い。先輩、好き…」
「ふ…ぁ……」
たっぷりとキスを堪能し、名残惜しく離れていく城崎の唇を目で追いかける。
肩を抱き寄せられて、リビングへ移動してソファに座った。
「先輩、お願い二つ言ってもいい?」
「………うん。」
「一つは一週間、俺が家事代行します。」
「え、それは俺の……」
「うん。その代わりキスは俺がしたいときにするし、一週間毎日一緒に寝ます。それが条件。」
それは城崎が泊まり込みで俺の身の回りの世話をしてくれるってことか?
一緒に寝るって何?毎日えっちするってこと?
仕事しながらそれはキツいかも…。
期待と不安が入り混じって、城崎と目を合わせると笑われた。
「何も毎日セックスするわけじゃないですよ?先輩が居ると安眠できるから。駄目ですか?」
「………駄目なわけない。」
俺だって城崎が隣に居ると、安心して眠れる。
キスだって好きだし。
俺だって嬉しいお願いだ。
「もう一つは?」
「もう一つはね、先輩少し嫌がるかも。」
「何………?」
「俺の前でオナニーしてほしい。」
「はっ?!えっ、はぁ?!!」
耳元で囁くように言われて、俺は後ろに逃げるように跳ねた。
何それ?!無理!!駄目に決まってんじゃん!?
「先輩、真っ赤。」
「ばっ…、お前が変なこと言うからだろ?!」
「えー、駄目?」
「駄目!!」
「でも、何でも聞くって言ったじゃないですか。それに俺初めからえっちなお願いって言ってましたよ?約束、守ってくれますよね?」
あああああ!!!
俺は城崎の仔犬モードにもセクシーモードにも全部弱いの!!
あらゆる武器を駆使して俺を折れさせようとする城崎。
「………わかった。」
そんな城崎に、今回も俺は折れた。
涼真の誕生日会の片付けをし、城崎を玄関まで見送る。
「じゃあ今日は荷物の準備もあるので。明日から一週間、よろしくお願いします。」
「うん。」
「先輩のオナニー、楽しみにしてますね♡」
城崎はエロ〜い声で囁いて、ご機嫌な様子で帰って行った。
ともだちにシェアしよう!