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第237話
陽が落ちる前に城崎は布団と洗濯物を取り込んだ。
洗濯物を畳む城崎を横目に、俺はふかふかの布団にダイブする。
「気持ちいい〜。」
「それはよかった。」
「城崎も来いよ。」
「それって、そういう意味ですか?」
城崎がエロい目つきで見てきたので、俺は焦って訂正する。
「ばっ…!ちげぇよ!!」
「なーんだ。残念。」
城崎はクスクス笑って、キッチンの方へ行ってしまった。
適当に時間を潰しておいてと言われてリビングでゲームしてると、キッチンからいい匂いが漂ってくる。
「ニンニク料理?」
「はい。他にもありますよ。」
「美味そう…。」
「もうできるので、食器用意しててくれませんか?」
「オッケー。」
間も無くしてテーブルに料理が並ぶ。
レバニラや豚肉とニンニクの芽炒め、山芋やオクラのネバネバサラダ、アボカドのマヨネーズ和え。
いつもおしゃれ料理が多めの城崎が、珍しくスタミナ料理のオンパレードだ。
「美味い。」
「よかった。あまり作り慣れてないので、味とか濃くないですか?」
「うん。ちょうどいい。」
箸が進んであっという間に平らげると、城崎は嬉しそうに笑った。
食事を終えソファに座ると、城崎はニコニコ笑顔で俺の前にとんでもないものを並べた。
「先輩、どれ使いますか?」
「ちょ……、はぁ?!何、急に?!」
「いっぱい精の付く料理食べたでしょ?オナニーのために。」
「?!!」
嘘だろ?
まさかあのスタミナ料理の数々は、全部俺の精力を高めるための前準備だったっていうのかよ?!
城崎はローターやバイブ、エネマグラを持って俺に迫る。
「いつもどうやってしてるんですか?」
「し、してないってば…!」
「じゃあもし俺が出張でしばらくできないってなったら?どうやってするんですか?想像してください。」
城崎がいなかったら…?
まぁたしかに、城崎がいなきゃ一人でヌくしかないけど…。
そもそもオナニーって、人前でするものじゃねぇし。
「今までのやり方でいいか…?」
「はい。なんでもいいですよ。」
オナニーなんて、城崎と付き合ってからした記憶がない。
城崎と付き合う前は普通にAV見ながらシコってたっけな…。
パソコンをつけてAVサイトを開く。
電気を消して、ティッシュボックスを隣に置いて。
後ろからすげぇ視線を感じるけど、気にしないふりをしてチャックを下ろしてモノを取り出した。
『あっ♡あーん♡♡』
ビデオ内の女性が高い声で喘ぐ。
胸がぶるんぶるん揺れて、喉を反らして、今までならこの辺で……、ってアレ??
「先輩、微塵 も反応してませんけど。」
「ちょ、これは…。」
「そんなんで本当に勃つんですか?」
「お前が見てるからだよ!!」
そうだ。城崎がガン見してるから勃つもんも勃たないだけだ。
絶対そうだ。
なのに城崎は退 く様子はないようだ。
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