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第238話

「こっちの方が興奮するんじゃないですか?」 城崎は俺からマウスを奪い取って、別の動画をクリックした。 そこに映るのは男同士のセックス。 女の子みたいに胸はないし、声だって高いとは言っても男だし。 なのに……。 「ほら、ちょっと反応してる。」 「こ、これは、そのっ…!!」 「その、なんですか?」 「〜〜〜っっ!!」 ガチガチというわけではないが、緩く反応してる俺のちんこ。 なんで普通のAVじゃなくて、ゲイビで反応するかな?! 理由は明確。 俺が俳優を城崎と自分に当てはめて、想像してしまうからだ。 でも想像なんて俺にしかわからないし、ゲイビなんかで反応したら、まるで俺がゲイみたいじゃんか…。 俺は城崎だから付き合ってるだけで、恋愛対象が男になったわけじゃない。決して…。 「想像しちゃった?」 「っ!!」 「先輩、俺にあーゆーことされたいんですか?」 城崎は俺の思考なんて、全てお見通しだったようだ。 否定しないのは肯定したと同義で、城崎は満足そうに口角を上げる。 「先輩、ちゃんと擦らないとイケないですよ?」 「わ、わかってる…」 「ん。いい子。」 俺は自分のちんこを握って上下に手を動かした。 それを見て、城崎は微笑む。 けど俺は全然(たかぶ)らなくて、イクどころか時間経過とともに萎えていった。 「先輩、AVと前だけじゃイケないんじゃないですか?」 「んなわけねぇだろ。城崎が見てるからだよ。」 「俺のせい?」 「普通人に見られてたらオナっても反応しないっての。」 「じゃあ部屋でどうぞ。」 城崎が見たいと強請(ねだ)ってすることになったのに見なくていいのかよ、とツッコミそうになる。 というか、城崎が見ないならする意味ないんじゃ…? 最近あまり使ってない書斎に押し込まれながらそう思った。 そんな俺の甘い考えが読まれたのか、部屋の扉を閉める前に城崎は「イクまで出てきちゃダメですからね。」と念押しする。 「つってもなぁ……」 城崎は去り際に、俺の部屋に大人の玩具(おもちゃ)を詰め込んだ箱を置いていった。 まぁ城崎も見てないし。 少しくらい使ってみるのもアリか……? 箱からローションとエネマグラと乳首吸引器、それに乳首用ローターを取り出す。 胸とちんこと、そして肛門にローションを垂らして、胸に吸引器を()める。 「んっ…」 きゅっと圧がかかって姿を現した俺の乳首は、相変わらずピンクでハリがいい。 輪っかをはめて乳首を自分で捕まえる。 いつも城崎がしてくれるみたいに、コリコリ捏ねると気持ちよかった。 「はっ…ぁ……」 後ろが物足りなく感じて、俺は乳首を弄る手を止め、指で自身の穴を軽く(ほぐ)し、手探りで確認しながらエネマグラを挿入する。 「んっ…んん……」 なんとも言えないもどかしい感覚に身を捩らせると、エネマグラがコツコツと前立腺に触れて快感が大きくなる。 ローターを乳首に当ててスイッチを入れると、胸にも快感が走り、一人で身悶えた。

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