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第240話

やっと気持ちが落ち着いてきて、城崎に抱きしめられながら上体を起こした。 城崎は俺のつむじやこめかみにキスして満足そうだ。 目を合わせると、城崎はキスをやめて俺に向き直る。 俺は城崎に、気になっていた質問をぶつけてみた。 「で、なんで城崎は俺が部屋の中で何してたか知ってるわけ…?」 「えぇ〜。気づかなかったんですか?」 俺が首を傾げると、城崎は本棚の方を指さした。 城崎の指先を辿っていくと、そこには俺のスマホがこちらを向いた状態で立て掛けられていた。 「ビデオ通話です♡」 「は……?」 「先輩のスマホと俺のをビデオ通話繋げてそこに置いて、俺は部屋の外でその様子を見てたってことですね。」 「ちょ、待って。え?は?全部?」 「はい♪先輩が乳首コリコリってしてるとこも、玩具に負けずに(あらが)ってるとこも、俺の服を嗅ぎながらイッちゃったとこも全部です♡」 「…………」 嘘だろ? 城崎が部屋を出てから戻ってくるまで、全部見られてたっていうこと? 何それ、恥っっず!! 「いひゃいいひゃい!せんぱぃ、いひゃい〜」 「バカ!!何で最初から言ってくれないんだよ?!俺がどんな思いで…。っていうか、見てたならさっさと来いっての!近くに恋人いるのに一人でする寂しさが分からないのか?!このバカ!城崎のバカ!!」 俺は城崎の頬を抓ってまくし立てた。 城崎は頬を抓る俺の手を優しく解き、俺の手を両手で握った。 「言ったら恥ずかしくて、してくれないでしょ?」 「………」 「寂しい思いさせてごめんなさい。でも、本当に先輩可愛すぎて、俺すげぇ興奮しちゃって動けなかったんです。ねぇ、次は俺が先輩のお願い聞くから、許して?」 「………」 だから甘えんなっての!! この年上キラーが…!なんて心の声、城崎に届くわけもなく。 というか、こいつは確信犯だもん。 俺が許してくれるってわかってて…。 「本当に聞いてくれんの?」 「一定期間触るなとかは無理ですけど…。」 我儘(わがまま)かよ。 まぁ、そんなこと言うつもりはさらさらないけど。 だって今の俺の体は欲してるから。 「抱いて。」 「え…?」 「城崎が欲しい。」 真っ直ぐに城崎の目を見てそう言うと、パァッと目が輝くのが分かった。 「喜んで!!」 「ちょ、まっ…!あ、明日に響かねぇ程度にな?!」 「はいっ♡♡♡」 ベッドに連れて行かれた俺は、日を跨ぐまでたっぷりと、城崎に甘く優しく、体の隅から隅まで丁寧に愛されまくった。

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