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第241話
月曜日の朝。
まだ若い城崎の全力の愛を受け止めた俺の体は、出社するのが憂鬱 なほどに疲弊 していた。
「先輩、おはようございます♡」
「ん〜……」
笑顔で俺の唇にキスをする城崎。
既に起きていたのだろうか、寝起きっぽくはなく爽やかだ。
「おはようのキスは触れるだけにしようと思ってたんですけど、どうしよう…。先輩の顔見たら止められない…。」
「ちょ、んんっ…!」
全然触れるだけじゃない、舌を使った大人のキスに、寝起きの俺は息継ぎができず、バシバシと城崎の背中を叩く。
唇が離れ、ぷはっと息を吸うと、また唇を塞がれた。
「んんっ!んんん〜〜!!」
キスをしながら城崎の右手は俺のズボンの中に入っていき、これ以上はダメだと俺は思いっきり城崎の頭を叩いた。
「いってぇ……」
「何してんだ、バカ!」
「だって先輩が可愛いんだもん…。」
「だもんじゃねぇ!あぁ、もうこんな時間じゃん!早く支度するぞ!」
「ちぇ。」
「子どもか!?ほら、早く!」
「はぁい。」
ベッドから降りる気のない城崎の腕を引っ張ると、城崎は渋々出社の支度を始めた。
俺はスーツに着替えるべく、洗面所に行く。
別に城崎の前で着替えてもいいが、今は駄目だ。
何してくるか分かんねぇし。
城崎が入ってくる前にさっさと着替えてしまおうと服を脱ぎ捨てると、鏡に俺の裸体が映った。
「一週間も経つと消えちまうよな…。」
花火大会の日、俺の体にびっしりと付けられたキスマークは、今や跡形もなく綺麗に消えた。
ホッとしたようで、少し寂しい。
首とか見えるとこはアレだけど、見えないとこに少しなら別に……。
いや、別に、決して付けて欲しいとかそういうわけではないけど!!
「先輩?なんかありました?」
「うわぁっ?!城崎!急に入ってくんな!!」
「わぁ。ラッキー。」
パンツ一丁の俺をみて、城崎の表情が少し緩む。
なんでそんなに嬉しそうな顔するかな…。
恋人が自分の裸見て嬉しそうだったら、やっぱりなんか照れるじゃん…。
「見んな…。」
「それは無理なお願いかも…。今必死に理性を保ってるんで…。」
「服着るから……」
「ダメ。」
シャツを手に取ろうとすると、その手を城崎に掴まれる。
目の前に城崎がいてドキドキするのに、さらにまじまじと裸を見つめられて心臓が破裂しそうだ。
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