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第250話

城崎は何に躊躇うこともなく、服を脱いで洗濯機に入れていく。 俺はボタン一つ開けられずに固まっているというのに。 「先輩、脱がしましょうか?」 「ちょっ…、恥ずいって…!」 「なんで?いつも見てるじゃないですか。」 「こんな明るいとこ……。それにまだ18時だぞ?」 「今からご飯もありますし、ちょっと触れ合うくらいですよ。ね?ダメですか?」 「聞きながら脱がすな!!」 城崎はあれよあれよという間に俺のシャツのボタンを外し、ズボンを下ろした。 肌を隠すものはパンツだけになり、城崎はその最後の砦さえも躊躇なく下ろし、お互い一糸纏わぬ姿になる。 「先輩、やっぱり綺麗。」 「…………」 「肌も、体のラインも、腹筋も、それにココも……。すごく綺麗です。」 「言わなくていいから…っ」 腰を撫でていた指先を、ペニスに触れるか触れないかの際どい所まで滑らせながら、城崎は俺の耳元で囁く。 城崎のエロい声は直にくるものがあって、俺は少し中心を硬くさせた。 見られたくなくて前を隠しながら浴室に入り、シャワーカランに手をかける。 「待って。」 「っ!!」 「汗流す前に、もう少しだけ先輩の匂い嗅がせて。」 カランを捻ろうとする瞬間、城崎に手を重ねられ止められる。 城崎は俺の首筋に顔を埋め、スンスンと匂いを嗅いだ。 「先輩の匂い、安心する。」 「汗かいてるから臭いだろ…。やめろよ……。」 「先輩の体液ですから、寧ろ興奮します。」 「変態。」 俺にぴったりとくっつく城崎を引っぺがしてカランを捻る。 「冷たっ!!」 「あははっ!先輩、可愛い。」 捻ってすぐだったため、お湯じゃなくて冷たい水が全身にかかる。 城崎は俺の馬鹿さを可愛い可愛いと揶揄(からか)った。 数秒でお湯が出始め、頭からシャワーを浴びて全身を濡らした。 「城崎、浴びないの?」 「先輩が風邪引いたら困るので、お先にどうぞ。」 「なんで一緒に入ったんだよ……」 逆に城崎が風邪引いても俺は困るので、さっさとシャンプーを流して、ボディスポンジを泡立てて城崎にシャワーを譲る。 「俺体洗ってる間、頭洗っとけ。」 「はーい。」 前後場所を交代し、俺は城崎の後ろで体を洗う。 足先の方まで洗い終えて顔を上げると、頭を洗い終えた城崎が俺の方を凝視していた。 「先輩。」 「な、なに…?」 にじり寄ってくる城崎から逃げようとすると、左右を両腕に阻まれて逃げ場を失った。 か、壁ドンだ……。 端正な顔が近づいてきて、俺はドキドキする気持ちを必死に落ち着ける。 「先輩、さっき俺に"変態“って言いましたよね?」 「…………」 ああ、言ったよ。言ったさ!だから何?! 上から見下ろしてくる城崎を睨みつけると、鼻で笑われた後、唇が重なった。

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