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第260話
今何時だ……?
帰って、腹一杯飯食って、一緒に風呂入って、キスして、キスして、キスして………。
「いってぇ……」
腰をさすりながらスマホを探す。
まだ部屋は真っ暗で、隣ではスヤスヤと城崎が眠っている。
今日はてっきり朝までコースだと思っていたけど、二人とも仕事疲れで早めに落ちてしまったらしい。
スマホを見つけて画面をつけると、2:36の表記があった。
「先輩……?」
「あ、ごめん。起こした?」
「んーん……。腰、大丈夫ですか?」
「うん。」
「ちょっと、激しくしすぎちゃったかも。ごめんなさい。」
城崎は俺の腰に何度もキスする。
くすぐったくて身じろぐと、ベッドの中へと引きずり戻された。
「寝ないんですか?」
「寝るよ。」
「抱きしめててもいいですか?」
「うん。抱きしめるだけな?」
「意地悪。」
城崎は優しく俺を抱き寄せて、目を閉じた。
俺もスマホを枕元に置き、眠る体制に入る。
こいつ、本当に顔が綺麗。
じーっと顔を見つめていると、城崎が薄ら目を開ける。
「先輩…、そんな見られたら眠れないです…。」
「悪い…。でも本当綺麗だから…。」
「何の話?」
「城崎の顔が綺麗って話。」
輪郭に沿って掌を沿わせる。
顔ちっせぇ…。唇うっす…。鼻筋完璧…。
親指で唇をなぞると、城崎の手が俺の手首を掴んだ。
「先輩に見られるのも、触られるのも、すっげぇ嬉しいけどムラムラしちゃうんですよ…。」
「ちょ…、悪い……。」
さっきまで目を瞑って寝ようとしてたくせに、急に組み敷かれて状況は一転。
ギラギラした城崎の目が、俺を見下ろしている。
「シていいの?」
「だ、駄目……。腰痛い……。」
「じゃあ、た〜っぷりキスしましょ?……ね?」
「んぅっ…♡」
城崎の舌が俺の唇を撫でる。
少し空いた隙間から、こじ開けるように入ってきて、歯列をなぞって、一度離れる。
「先輩、欲しいって顔してる。」
「…っ……、早く…っ」
「ちゃんとお強請りして…?」
「………欲しいっ、城崎…、もっと…!」
「よくできました。」
城崎の首に手を回すと、城崎はめちゃくちゃ優しい顔でキスの雨を降らせる。
幸せだ。
触れ合ってるたびに、城崎のことが大好きだと全身が叫んでいる。
「先輩、愛してます。」
俺なんかには勿体無い、城崎からの愛の言葉。
「城崎、大好き…。」
そう呟いて、城崎の胸の中でいつのまにか眠りについてしまった。
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