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第262話
寝起きから始まった城崎との営みは、およそ1時間経った頃に終了した。
完全にへばった俺を温タオルで丁寧に拭き、新しい服へ着替えさせてくれる。
相変わらず至れり尽くせりだ。
「先輩、朝ごはん食べますか?」
「いや……、このまま寝たい…。」
「ごめんなさい、腰大丈夫ですか?」
城崎は心配そうに俺の腰を撫でる。
さっきあんなにもシたというのに、俺の身体は腰を触られるだけでびくついた。
城崎は見て見ぬ振りをしてくれたけど。
「嬉しい怠さだからいいよ。」
「っ…!!」
「城崎、添い寝してて。城崎が隣にいると安心する…。」
「も、もちろんですっ!」
シングルベッドに並んで眠る。
もうすぐこの狭いベッドともおさらばか…。
そう考えると、少し寂しい。
シングルベッドだと嫌でも距離が近いから、恥ずかしくて理由が言えずとも密着できる。
この半年近く、そういう面ではお世話になった。
隣で横になる城崎に抱き着いて深呼吸すると、大好きな城崎の匂いでいっぱいになる。
「城崎ぃ…」
「どうしたんですか?」
「寝そう………」
「いいですよ。今日はどこにも行かず、二人でゆっくり過ごしましょう?」
「うん……」
「…………」
「………おやすみのチューは?」
「えっ!?」
最近寝る前は必ずしてくれるから、だから寝そうなことを伝えたのに。
あまり伝わってなかったから、自分から言ってしまった。
城崎はそんな俺を見てわなわな震えている。
いや、これ忠告しないとスゲェのくるな…。
「城崎、優しく…、な?」
「あっ……、はい。」
「んぅ…」
俺がそう言うと、ハッとした顔で返事した。
俺の要望通り、包み込むような優しいキス。
触れるだけのキスのつもりだったのに、自ら舌を突き出した。
びっくりした顔してるから、唇を一瞬離して言葉で伝える。
「もうちょっと…だけ……っ」
「はい……」
また唇を重ね、ゆっくりとお互いの舌を絡め合う。
ディープキスなのに優しくて、だんだんお互いが溶けて一緒になるみたいだ。
俺の動きが止まってきたことに気づき、城崎は唇を離す。
「先輩、おやすみなさい。」
「ん………」
俺は城崎の胸に抱かれながら、すぅっと眠りについた。
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