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第263話
二度寝して再び起きたのは、時計の短針が12を指す頃だった。
俺を抱きしめながら、城崎も眠りについていた。
人差し指で城崎の頬をつつくと、城崎の目が開いた。
「先輩、イタズラですか?」
「わぁっ!」
優しく手を握られ、おはようのキスをする。
無言で抱きしめあっていると、俺のお腹がぐぅ〜っと鳴った。
「お腹空きました?」
「や…、その、これは……」
城崎は俺に尽くすから、いつもならベッドから出てキッチンに行ってしまっただろう。
まだしばらくこのままで居たくて誤魔化そうとすると、城崎はベッドから出るどころか、俺の背に回した腕の力を強めた。
「お腹空いてるのに悪いですけど、もうちょっとこのまま居たいです。」
「お、俺も…!」
「あとで一緒にご飯作りましょう?」
「俺料理そんなに得意じゃないけど…」
「そんなの、手取り足取り教えてあげますよ♡」
何か含みのある言い回しはさて置き、城崎との甘ったるい時間に集中する。
本当好きだな…。
抱きしめられていると温かくて、安心する。
もしかして俺、甘やかすより甘やかされる方が好きなのかな。
今まで男として、年上として、彼女には甘えてもらえるよう振る舞ってきたつもりだった。
城崎と付き合ってから、これでもかってくらい甘やかされて、それがとても心地いい。
城崎は俺が10で何かすると100で返してくれる。
自惚 れても仕方ないくらい、愛されてるって、行動、言葉全てで表してくれるから。
「城崎、大好き。」
「ふふ。俺は愛してますよ。」
だから俺も安心して城崎のこと大好きって言えるんだ。
幸せだ。
本当に幸せ。
周りには大っぴらにできないことかもしれないけど、城崎に愛されているという事実だけが俺を満たしてくれる。
「早く一緒に住みたいな…。」
「なに可愛いこと言ってるんですか?襲いますよ?」
「いいよ。」
「…っ!」
「なんか、今城崎のこと、すげぇ感じたい。」
背に回した手に力を込めると、城崎の顔が近づいて唇が触れる。
触れるだけのキスからどんどん深くなって、口角から唾液が溢れる。
「体……、大丈夫?」
「ん…、男だし…っ」
「繋がりたい…。先輩……っ、いい…?」
「俺も、早く…っ」
城崎の太腿に硬くなった自身を押し付けて、早くしろとアピールする。
城崎は両手にローションを広げて、左手で俺のを扱き、右手は後ろに回した。
「たくさんシたから、もう中柔らかいですね…」
「ん、はっ…、早く……っ」
「焦 らしてんの。イキそうな顔してる先輩、可愛いから。」
「は…ぁっ……、い、意地悪…っ!」
「可愛いからつい意地悪したくなっちゃうんですよね…。でももう俺も限界。先輩、挿れますよ…」
グチュリ……
いやらしい水音と同時に、すごい質量のソレが俺の中へ入った。
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