263 / 1069

第263話

二度寝して再び起きたのは、時計の短針が12を指す頃だった。 俺を抱きしめながら、城崎も眠りについていた。 人差し指で城崎の頬をつつくと、城崎の目が開いた。 「先輩、イタズラですか?」 「わぁっ!」 優しく手を握られ、おはようのキスをする。 無言で抱きしめあっていると、俺のお腹がぐぅ〜っと鳴った。 「お腹空きました?」 「や…、その、これは……」 城崎は俺に尽くすから、いつもならベッドから出てキッチンに行ってしまっただろう。 まだしばらくこのままで居たくて誤魔化そうとすると、城崎はベッドから出るどころか、俺の背に回した腕の力を強めた。 「お腹空いてるのに悪いですけど、もうちょっとこのまま居たいです。」 「お、俺も…!」 「あとで一緒にご飯作りましょう?」 「俺料理そんなに得意じゃないけど…」 「そんなの、手取り足取り教えてあげますよ♡」 何か含みのある言い回しはさて置き、城崎との甘ったるい時間に集中する。 本当好きだな…。 抱きしめられていると温かくて、安心する。 もしかして俺、甘やかすより甘やかされる方が好きなのかな。 今まで男として、年上として、彼女には甘えてもらえるよう振る舞ってきたつもりだった。 城崎と付き合ってから、これでもかってくらい甘やかされて、それがとても心地いい。 城崎は俺が10で何かすると100で返してくれる。 自惚(うぬぼ)れても仕方ないくらい、愛されてるって、行動、言葉全てで表してくれるから。 「城崎、大好き。」 「ふふ。俺は愛してますよ。」 だから俺も安心して城崎のこと大好きって言えるんだ。 幸せだ。 本当に幸せ。 周りには大っぴらにできないことかもしれないけど、城崎に愛されているという事実だけが俺を満たしてくれる。 「早く一緒に住みたいな…。」 「なに可愛いこと言ってるんですか?襲いますよ?」 「いいよ。」 「…っ!」 「なんか、今城崎のこと、すげぇ感じたい。」 背に回した手に力を込めると、城崎の顔が近づいて唇が触れる。 触れるだけのキスからどんどん深くなって、口角から唾液が溢れる。 「体……、大丈夫?」 「ん…、男だし…っ」 「繋がりたい…。先輩……っ、いい…?」 「俺も、早く…っ」 城崎の太腿に硬くなった自身を押し付けて、早くしろとアピールする。 城崎は両手にローションを広げて、左手で俺のを扱き、右手は後ろに回した。 「たくさんシたから、もう中柔らかいですね…」 「ん、はっ…、早く……っ」 「()らしてんの。イキそうな顔してる先輩、可愛いから。」 「は…ぁっ……、い、意地悪…っ!」 「可愛いからつい意地悪したくなっちゃうんですよね…。でももう俺も限界。先輩、挿れますよ…」 グチュリ…… いやらしい水音と同時に、すごい質量のソレが俺の中へ入った。

ともだちにシェアしよう!