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第264話

気持ちいい。 生は全然違う。 たった一枚薄い何かがあるかないか、それだけなのに。 こんなにも熱くて、感じて、満たされる。 「城崎っ…、城崎…っ!」 「先輩…、夏月って呼んで?」 「んっぁ…、なつきぃ……」 「うん。」 「夏……、なつ…きっ……大好き……」 顔を寄せて強請ると、俺が欲しかったトロトロに溶けてしまいそうなキスをしてくれる。 息をするのも忘れてキスに夢中になっていると、城崎がクスクス笑いながら俺に息継ぎをさせる。 「綾人さん、息しないと。」 「ふっ…ぁ」 「気持ちいい。綾人さんも、感じてる?」 (かす)れた声で囁かれ、俺はこくこくと首を縦に振る。 城崎は小刻みに浅いところを揺すったり、奥のすげぇ気持ちいいところをゆっくり(えぐ)ったり、緩急を付けて俺を絶頂へと導く。 余裕ある顔、なんか腹立つ。 「うっ…、あ、綾人さん…っ?」 「何。」 「そんな締め付けたら……っ、出ちゃいます…」 うまく中を締め付けると、さっきまで余裕そうだった城崎の表情が歪んだ。 可愛い。今、すげぇ(あせ)ってんのかな? 城崎のソレは俺の中でビクビク震え、今にも弾けそうだ。 「ダメ。」 「ちょ…、も、無理…っ!抜きます!」 「ダーメ。」 「ぅあっ!綾人さんっ…!!」 引こうとする城崎の腰を足でホールドすると、城崎はフッフッと口で息を吐いて快感を逃そうとしていた。 別に中出しされたくないわけじゃない。 むしろ城崎が俺で感じてくれた結果なんだから、嫌なわけない。 ただの意地悪だ。 「綾人さん…ッ、本当にヤバい…からっ…、離して…!」 「ムリ。」 「……お…れ………、もう……っ」 キュッと中を締め付けると、城崎は俺の中で爆ぜた。 「あっつ…」 「綾人さんっ…、すみません…!」 「ぅわっ?!」 一度たかが外れたからか、城崎は俺の腰を掴んでガツガツ奥を突き始めた。 今しがた出された城崎の精液が中でかき混ぜられて、ぐちゅぐちゅと音が響く。 「綾人さん…、綾人さん…っ!」 「夏月……ッ」 切羽詰まった様子で俺の名前を呼び続ける城崎を抱きしめて、耳元で呟く。 「全部出せよ……」 「…っっ!!」 ずっと待ってた俺からの"よし"の合図。 城崎は残ってる全てを俺の中に吐き出した。

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