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第272話
城崎が奥を突く度に全身が喜びに震える。
キュッと中が締まると、城崎は顔を顰 めながらも口角は上がっていた。
「ん…ッふ……!…ぁっ…んん…」
俺の声は全部城崎に吸い込まれる。
何度も角度を変えて唇が重なり、息継ぎをさせてくれたあとは城崎が動いて大きな快感が俺を襲う。
酸欠になりそう…。
「綾人さん……ッ、そろそろ出そう……」
「んぁっ…んんぅ……」
城崎は切羽詰まった顔をして、腰の動きを早めた。
何度も揺すられるほどに快感の波はどんどん大きくなり、一際激しく突かれたと同時に俺は達した。
そして俺がイッて中がキツく収縮し、城崎も中で弾けた。
「あ……出てる……ぁっぃ…」
「ごめん、綾人さん…。綾人さんの中、良すぎてヤバい。」
「気持ち……、いいか?」
「ヤバい、ほんとに…。まだこのまんまで、いい?」
「いいよ。」
汗を垂らして、呼吸も荒く、顔も赤い。
俺でこんなにも興奮してくれているなんて、いまだにどこか信じられない。
中は城崎の色々で熱いし、まだビクビク動いている。
城崎の背中に手を回すと、城崎は俺に体重を預けて乗り掛かった。
重さは平気だけど、中への圧迫感が凄くて思わず顔を顰 めると、城崎はハッとした顔でベッドに手をついた。
「ご、ごめんなさい!苦しかったですか?」
「いや、大丈夫。いいよ、おいで、城崎。」
「はぁ〜。ほんと好き。かっこいい、綾人さん。」
城崎は俺の言葉に甘えてまた脱力した。
たまにこういう歳下っぽいところが可愛いんだよな。
城崎の頭を撫でていると、城崎は上目遣いで見つめてきた。
「どうした?」
「綾人さん、誕生日あけてくれてますよね?」
「え。俺誕生日言ったことあるっけ?」
「知ってるに決まってるじゃないですか。」
「誰に聞いたんだよ…。」
誕生日は一週間後の9月18日だ。
誕生日を覚えてくれていたのはとても嬉しい。
けど、凄く顔が緩んでる気がして、思わず照れ隠ししてしまう。
「綾人さん、空いてますよね?」
「あー…うん。うん、空けてる。」
「今の間、何?」
「……………」
「あーやーとさーん?」
「…………城崎と居たくて空けてた。」
「!!!」
「あっ、ん…!……………!!!」
観念して本当のことを言うと、城崎は目を輝かせて体勢を上げた。
いきなり動くもんだから、中のイイとこをゴリっと抉られて、思わず変な声が出た。
急いで手で口を塞ぐも、城崎も、そしておそらく俺もお互いが顔を真っ赤にして、見つめあって硬直した。
「綾人さん……、可愛すぎてもう俺ほんとに……無理。」
「うるさい………。」
プシューっという効果音が似合いそうなくらいお互い顔を赤くして、隠すように抱きしめ合った。
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