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第273話

シャワーを浴びて(ひと)(ねむ)りする。 裸で抱き合うと人肌がとても心地よくて、知らぬ間に本格的に眠ってしまっていた。 起きた時にはもう15時で、ぐぅ〜となるお腹をさすりながら昼も食べてないなぁと思い出す。 「先輩、おはよう。」 「んっ…、んん…」 城崎は俺の顔を覗き込んで、起きてるのを確認してから唇を合わせる。 舌が俺の口内を確かめるように動き、唇を舐めて離れていった。 キスが終わり離れていく城崎の顔をぼーっと見ていると、城崎はくすくす笑う。 「そんな見つめられたら恥ずかしいです。」 今更何を。 って思うけど、俺も城崎に見つめられたら恥ずかしいのは同じだ。 城崎はベッドから降り、クローゼットから部屋着と下着を2セットずつ出して、1セットを俺に渡した。 「下着新しいやつなんでよかったら。俺、軽く食べられるもの作ってきますね。」 「ありがと…。」 至れり尽くせりとはこのことだ。 つかこれ、新しい下着って言ってたけど、普通に有名なとこの割といい値段するやつ…。 もっと安いのでいいのに…。 「城崎、こんなんもらえねぇよ。」 「わっ!ちょ、先輩っ!履いて!すっぽんぽんで来ないで!目に毒!!いい意味の方で!!」 下着を履かずにキッチンへ行くと、城崎は俺を見るなり顔を赤くして慌てだした。 俺のなんて何回も見てるのに。 「本当にいいのか?」 「いいから!ていうか、先輩に尽くすことに関しては何の躊躇もないですから、俺。」 「じゃあ有難く…。」 下着に足を通すと、城崎はほっと息を吐いた。 食事を待つ間、ベッドに座るとなんかムラムラしてきそうだから、ベッドを背もたれにテレビの正面に座った。 適当にチャンネルを回すが、興味を惹かれるような番組はなく、ぼーっと画面を見つめる。 「先輩、サンドイッチとコーヒーできましたよ。夜は夜で作るので、今は軽食くらいでいいですか?」 「ん。ありがとう。」 城崎が俺の前にあるテーブルにサンドイッチとマグカップを置いた。 温めたタオルも出してくれて、顔と手を拭くとさっぱりした。 「いただきます。…………ん〜、うま。」 「よかったです。夜は何か食べたいのありますか?」 「ん〜。城崎の何でも美味しいから、冷蔵庫にあるもので作れるのでいいよ。」 「じゃあアスパラの肉巻きでいいですか?」 「()()そ〜。俺もなんか手伝える?」 「じゃあ副菜手伝ってもらってもいいですか?」 「ん。任せろ。」 サンドイッチを食べ終えた後は、スマホをテレビに繋げて動画配信サービスで映画を一本見た。 映画の感想を話し合いながら、城崎はメインと副菜、味噌汁を、俺はポテトサラダを作ることになって、それぞれ調理に取り掛かった。

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