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第274話
夕食を食べ終え、城崎は風呂を沸かしに浴室へ行った。
もちろん今日は城崎の家にお泊まりだ。
午前中ずっとヤッてたし、今夜はしないと思うけど…。
でもキスとかハグはしたいなぁ…なんて。
「先輩、何見てるんですか?」
「いや、なんとなく付けてるだけ。」
「じゃあ消していい?先輩のこと、独り占めしたい。」
城崎は浴室から戻ってくるなり、ボーッとテレビを見てた俺の手からリモコンを奪って画面を消した。
ベッドを背に床に座り、俺を抱き寄せる。
城崎にバックハグされる体勢になり、心臓の音が大きくなった。
部屋が無音なのが更に緊張を高める。
「先輩、可愛いです…」
「お…、おぅ……?」
「キスしていいですか?」
「………うん」
後ろから耳元で囁かれて、体がゾクゾク震える。
おずおずと振り返ると、後頭部を支えられたまま床に押し倒された。
あーーー、めちゃくちゃかっこいい。
なんなのこいつ……。
神様が世界一のイケメンを作るために最高のパーツを揃えて丁寧に組み合わせたような整った顔立ち。
大袈裟に聞こえるかもしれないけど、城崎は本当に世界一かっこいい。
恋人だからっていう偏見じゃないと思うんだよな。
じっと見てると、端正な城崎の顔が近づいてきた。
「先輩、好き。」
「ん……ふ……」
「唇、柔らかい。」
「んんっ…、んぅ……」
気持ちいい。
何度も確かめるように唇を合わせて、時々舌が唇を舐めて、中に誘うと俺の好きなところを的確に刺激する。
俺が気持ちよくて声を上げてしまうたびに、後頭部を支えている城崎の手が撫でるように動いた。
ずっとこうしていたいな…。
城崎のこと、好きすぎてやべー。
「城崎……」
「ん?」
「寝る時、ぎゅってしてほしい…。」
「何それ、可愛い。」
「してくれる?」
「勿論です。言われなくてもしますよ。」
年甲斐もなく甘えると、城崎はいつもに増して幸せそうな顔で、とびっきり甘やかしてくれる。
多分みんなが想像してる10倍くらいは甘い。
甘やかされるたびに、城崎がいなくなったらダメ人間になっちゃいそうだなーとか思っていたりする。
何度も降ってくる甘いキスを受け止めていると、浴室から音が聞こえてきた。
「お風呂、できたみたいです。一緒に入りましょう?」
「うん。」
二人で浴室に向かい、健全にイチャつきながら体を温めた。
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