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第276話

日曜は城崎の家でゆっくり過ごした。 甘やかされて、帰りたくないとごねる俺を家まで送り届けて、結局家に泊まってくれた。 俺が帰るなとごねることも想定内だったようで、月曜出勤するためのスーツも持ってきていたようだ。 「先輩、俺と離れられなくなってません?」 狭いベッドの中で俺を抱きしめながら、嬉しそうにそう言った城崎。 否定できない。 仮同棲って言うの?あの一週間の同棲、しなきゃよかったかな…。 仕事に行けば、現実に戻れるけど。 城崎に抱き着きながら、そんなことを考える。 「明日仕事行きたくない……。」 「あはは。俺もです。」 「ごめんな、泊まらせて。迷惑だった?」 「とんでもないです。先輩のそばに居れて、すっっっごく幸せ。」 城崎は俺の髪を指で梳きながら、瞼や頬にキスを落とす。 目を閉じて唇を突き出すと、望み通り唇が重なった。 「………ぁ…」 「先輩、明日仕事なんですから。そんな声出して俺のこと誘惑しないでください。」 「ふはっ…!俺の声でその気になってくれんの?」 「当たり前じゃないですか!ほら、分かる?」 「うわっ!ははっ、やめろって!」 「責任とってくださいね〜。」 腕を掴まれて股間に持っていかれて、そしたら城崎のは緩く勃ち上がっていて…。 何度も目の当たりにしてるけど、やっぱり俺なんかで感じたり興奮したりしてくれるのはいまだに信じられないし、だからかなり嬉しくて。 城崎がもっと喜んでくれるにはどうしたらいいんだろうとか、そんなことばっか考えてる。 「気持ちい?」 「うん。いつもみたいにしてくれますか?」 「わかった。」 城崎のをいつもみたいに両手で扱く。 抱きしめられて、耳元で聞こえる吐息とか、低い唸り声とか、ほんっとにエロいんだよな、こいつ。 「はっ………、………ぅっ……」 「し、城崎……、それやめて……」 「ん?………っ!!」 「んひっ?!」 城崎がイッた後に耳元にふぅーっと息が吹きかけられて、思わず変な声が出る。 ビクビクっと身体が震えて、背筋に快感が走った。 「先輩、敏感すぎ。」 「だ、だって……」 「可愛いから治さなくていいですよ?てか、先輩が感じるようにわざとしてますから。」 「なっ?!」 怒ろうと顔を上げると、俺を見た城崎は頬を赤く染めて顔を逸らした。 「そういうとこですよ……。」 「どういうとこ??」 「無自覚なのが小悪魔です…。」 城崎は手で口を抑えてすげぇ照れてる。 俺なんかしたっけ? 教えてほしくて顔を近付けると、顔が見えないように抱き寄せられた。 「先輩、感じた後すげぇ目が潤むから。そんな目で上目遣いされたらさすがに照れますよ、俺だって。」 「…っ!!」 今お互い顔は見えないけど、多分俺も城崎も真っ赤なんだと思う。 そっか。……へへ。なんか嬉しいかも。 「城崎、大好き。」 「?!俺も大好きですよ、先輩の好きを超えるくらい大大大好きです!」 「ん。おやすみのチューして?」 「はい♡」 城崎と何度もキスをして、それからあまり遅くならないうちに二人とも眠りについた。

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