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第277話

アラームが鳴り、布団の中でもぞもぞと体を捩らせる。 寝返りを打つと、端正な寝顔と硬い体。 そうだ、城崎を無理矢理泊まらせたんだっけ…。 「城崎、おはよ。」 「ん……?んーーーっ!」 頬を突くと、それはそれは眠そうに大きく伸びをした。 うっすら開いた瞳が俺を捉え、三日月のように弧を描く。 「先輩、おはよ…♡」 「っ!」 シングルベッドに男二人だから、抱き寄せなくてもゼロ距離だ。 それをいいことに、城崎は俺の背に手を回し逃げられなくして、朝から深いキスをお見舞いしてくる。 「ぁ…ふ……んっぁ……んんっ…」 どちらのかわからない唾液が口角を伝って溢れる。 仕事の準備しなきゃいけないのに、こんなキスされたら…。 「城……しゃ……♡」 「可愛い。先輩、半休とる?」 「駄目だってば…ぁっ!」 「キスだけでこんなになってるのに、我慢できますか?」 「ひんっ…」 勃ってしまったソレを城崎が片手で弄る。 やべー。体に力入んない……。 「先輩えっちするときと同じ顔してますよ?こんな顔で会社行くのは恋人として許せないなぁ…。」 「だ、誰のせいで…!」 「そりゃ勿論俺ですけど。こんな可愛い先輩、誰にも見せたくないなぁ…?」 「前だって二人とも遅れたんだから、あんま疑われるようなことしたくねぇし…。しかも二週間前だぞ?さすがにちゅんちゅんとかに勘繰られそうだし…。」 「んー……、じゃあ俺は間に合うように行きます。先輩は半休とってください。」 それならいいか…? 俺が悩んでいると、城崎は決定だと言わんばかりに俺に触れた。 「俺いいって言ってないんだけど。」 「だって先輩、彼女と同棲中って設定じゃないですか。昨晩ハッスルしたくらいにしかみんな思いませんよ。」 「それも嫌だし!!」 セックスしすぎで次の日半休とるとか馬鹿じゃん。 そんなの思われるくらいなら、意地でも出社してやる! 「ちょ、先輩だーめ。」 「ひぁんっ!」 ベッドから出ようとすると、腕を引かれてまたベッドに引きずり込まれる。 ちんこを揉まれながら耳元で話しかけられ、もう俺は自分でもわかるくらいに出社できる状況ではなかった。 「年休消化だってしてませんし、いい機会じゃないですか。ね?」 「や、やめて…、城崎…っ」 「んー。ていうか、おはようのキスでこんなになっちゃうのも考えものですよね…。じゃあ俺が行くまで、いっぱいキスの練習しましょう!」 「あっ…、ば、バカァ…!」 腰砕けになるくらいトロットロなキスをされまくり、足腰に力の入らなくなった俺を置いて、城崎は一足先に出社してしまった。

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