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第285話

飯食って、順番に風呂に入って、タオルで髪の水気を取りながら城崎を待つ。 城崎は有言実行の男だ。 宣言されたからには、俺は今日めちゃくちゃに愛し尽くされるのだろう。 心臓をバクバク打ち鳴らしていると、風呂を終えた城崎がリビングに現れた。 濡れた髪をタオルでわしゃわしゃと雑に乾かしながら、下にジャージを着ただけのその姿は、腕や腹や胸の筋肉をひけらかしている。 本人は自慢のつもりではないだろうが。 普段の数倍エロくて格好いい。 「上も着ろよ…、風邪ひくぞ?」 「どーせすぐ脱ぐし。」 「ばっ…、も、知らねぇ!」 恥ずかしいから気をつかうフリして言ったのに、城崎は恥ずかしげもなくそんなことを言う。 城崎が俺に近づくたびに、俺の心臓は期待と羞恥で鼓動を打つ速度を上げる。 「髪、乾かしましょうか。」 「いい…っ、自分でやる…から……っ」 「俺が先輩の髪に触れたいんだけど。駄目?」 何度も言ってるかもしれないが、城崎のそれには弱い。 日本全国どこ探しても、ダメなんて言うやついないだろ。 無自覚イケメン怖い…。本当怖い…。 「…………駄目じゃない…けど……」 「ん。」 城崎はふわっと笑って洗面所にドライヤーを取りに行った。 何なんだよ、すぐベッド行くのかと思ったわ。 俺は風邪ひいちゃダメで、自分はいいのかよ。 絶対子どもできたら過保護なタイプだわ、こいつ。 丁寧に髪を乾かされ、気持ちよくて目を瞑る。 気持ちいい。 このまま寝ちゃいたいなんて考えてると、見透かされていたのかドライヤーの音が止んだ。 「先輩、寝ちゃダメですよ?」 「………だよな。」 「先輩が熱くしてくんないと、俺、風邪ひいちゃう。」 「ぶっ…!ば、バカ!てか、おまえの髪は?」 「乾かす時間が惜しいです。ベッド行きましょ、先輩。」 本当に自分のことは後回し。 俺のことだけは宝石のように丁寧に扱ってくれる。 嬉しいけど、心配だ。 ベッドに座らされて、唇が重なる。 少し離れて、また重なって、 何度もそうしているうちにどんどんキスが深くなっていく。 ゆっくりと押し倒されて、腕をベッドに縫い付けられる。 気持ちいい。 気持ちいいけど、いつもなら胸とか下とか触ってくれんのに、今日はただひたすらキスだけで攻められる。 時々熱くて硬くなった城崎のソレが太腿に当たって、その度に期待で身体を大きく震わせる。 「先輩、可愛い。」 「…ふっ、しろ…、んんっ」 城崎、 そう呼びたいだけなのに、唇をすぐに塞がれて声を発することもできない。 やばい。キスだけでイキそうなくらい気持ちいい。 頭、おかしくなりそう。

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